ノルウェー・ジャズ第一世代に影響を受けたドラマー トーマス・ストレーネンが4 月に来日! JAPAN TOURを開催!
ジャズ大国ノルウェーにあって、とりわけ多角的な活躍を見せるドラマーが、1972年ベルゲン生まれのトーマス・ストレーネン。ノイズやエレクトロニクスを駆使した幻惑的なサウンドが特徴のFoodでは、クリスチャン・フェネスやニルス・ペッター・モルヴェルとも共演し、そのセンスに磨きをかけてきた。そんなストレーネンは、ヤン・ガルバレク、テリエ・リピダル、アリルド・アンデルセン、カーリン・クローグなど、60~70年代に台頭してきたノルウェー・ジャズ第一世代から大きな影響を受けている。
「5歳の頃からドラムを始めたんですけど、ノルウェーのドラマーのヨン・クリステンセンとアウドゥン・クライヴェには特に影響を受けましたね。ヨンはそのタッチや独特な響きが好みにあっていた。晩年の彼からはドラムでもメロディックなプレイができると教わりました。アウドゥンはビートのオリジナリティが素晴らしくて、0.5秒聴いただけで彼の音だと分かる。ノルウェー・ジャズ第一世代の時代はジャズ・ミュージシャンがジャズを演奏する場所も多くなかったので、ポップスやシンガー・ソングライターと仕事をしたり、劇場のビッグ・バンドで糊口を凌いでいた。だから、それらの要素も混ざり合ってノルウェー特有のジャズが形成されたんだと思います」
昨年、ストレーネンは、タイム・イズ・ア・ブラインド・ガイドというアコースティック・ジャズ・ユニットの3作目をECMからリリースした。アルバム・タイトルは『Off Stillness』。そのタイトル通り、静謐でフラジャイルな、いかにもECMらしい作品に仕上がっている。クインテット編成で、ピアニストはキッド・ダウンズに代わって加入した田中鮎美。ヴァイオリン、チェロ、コントラバスが荘重な響きをもたらす。特に優美なチェロや弓弾きを使ったコントラバスのたゆたうような旋律には幾度となく陶然とさせられる。
「このグループのもともとのコンセプトは、ジャズのピアノ・トリオに、チェロやヴァイオリンやコントラバスを加えて、クラシックの室内楽とピアノ・トリオを合体させようということでした。あとは、普通の楽曲の中にどんどん各ミュージシャンの個性を発揮してもらい、インプロヴィゼーションを展開してもらおうと。そういったことを目指して結成しました」
弦楽器も加わる編成だが、そのサウンドはどれだけヴォリュームをあげても静けさを失わない。曲を演奏しているというよりは、ある種のアトモスフィア(雰囲気、空気)を創りだしている、というほうがしっくりくる。行間や余白を活かした、引き算の美学がその根底にはあるのだろう。
「音数が多い音楽はあまり好きじゃないです。空間を活かして、そこにそのミュージシャンがそれぞれのアイデアを自由に出していけるようなスペースをつくりたかったんです。武満徹がすごく印象的なことを言っている。次に鳴らすビートがその音楽を変えるような影響力を持っていないんだったら、そのビートを叩くなと。私も自分の出す音の重要さを感が抜き、細部に至るまでその音に責任を持つことを意識しながら演奏をしています」
Foodのアルバム以来、長きにわたってECMと密な関係を築いてきたストレーネン。オーナーのマンフレート・アイヒャーとも自然に意思の疎通がとれているからこそ、このような傑作が生みだせるのだろう。
「マンフレートと自分の音楽に対する考え方というのは非常によく似ているので、レコーディングの時にもほとんど言葉を交わす必要もない。意思の疎通は自然にできるんですよ。自分がやりたいようにやっていれば彼の意にもかなうというようなものができるんです」
4月にはタイム・イズ…での来日公演も行われる。「新作の曲もやるし、まだ録音していない新曲もやる予定なので楽しみにしていてください」とのことだ。
LIVE INFORMATION
Thomas Strønen Time Is A Blind Guide JAPAN TOUR 2026
熊本公演
2026年4月12日(日)熊本 ラフカディオホール
開場/ 開演:18:30/19:00
福岡公演 - Day 1
2026年4月13日(月)福岡 ROOMS
開場/ 開演:18:30/19:00
福岡公演 - Day 2
2026年4月14日(火)福岡 ROOMS
開場/ 開演:18:30/19:00
神戸公演 - Day 1
2026年4月15日(水)兵庫・神戸 100 BANホール
開場/ 開演:18:30/19:00
神戸公演 - Day 2
2026年4月16日(木)兵庫・神戸 100 BANホール
開場/ 開演:18:30/19:00
東京公演 - Day 1
2026年4月17日(金)東京・神楽坂 赤城神社
開場/ 開演:18:30/19:00
東京公演 - Day 2
2026年4月18日(土)東京・神楽坂 赤城神社
開場/ 開演:16:30/17:00
■出演
Thomas Strønen(ドラムス)
Håkon Aase(ヴァイオリン)
Leo Sevensson Sander(チェロ)
田中鮎美(ピアノ)
Ole Morten Vågan(ベース)