三線で楽しむ最新アニメソングの魅力とジャンルを越える新たな広がり
聴く専、弾く専どちらのタイプにも、楽しみと喜びを等しく提供する〈三線で聴きたい弾きたい〉シリーズに、このたび新たなタイトルが仲間入りを果たした。その名も『三線で聴きたい弾きたい 推しアニメソング』。2014年発表の〈アニメソングBEST26〉の流れを汲む本作は、前作の頃とは比べものにならないほど世界標準のジャンルへと成長したアニソンの現在地を映すかのように、収録曲のラインナップもぐっと多彩な広がりを見せている。
なかでも令和アニソンの代表格とも言えるLiSAの“紅蓮華”、Official髭男dismの“ミックスナッツ”、Creepy Nutsの“Bling-Bang-Bang-Born”などは三線で弾きこなすにはかなりの難易度を伴うものだったりするが、シリーズ全9作中7作の監修に携わっている根岸和寿が卓越した技量でもってみごと手中に収めており、さらに三線とポピュラー・ミュージックの越境がもたらす新たな可能性まで提示しているところが実に興味深い。
もちろん子供から大人まで自然と口ずさんでしまうようなキャッチーでフレンドリーなメロディを持つ楽曲も豊富に揃っている。星野源の“ドラえもん”をはじめとするウキウキ感とナゴミが背中合わせの演奏はインスト・アルバムとしての魅力を確実に押し上げているし、特撮番組「琉神マブヤー」のOPテーマであるアルベルト城間の“琉神マブヤー~魂の戦士~”は文句なしに気分を盛り上げてくれる。
もしも高円寺を舞台にしたアニメがあったら……というイメージを巡らせながら作ったという阿波踊りをモチーフにしたオリジナル曲がエンディングを飾る構成もまたなかなかに頬が緩む仕上がりだ。
さらに注目したいのは、100ページに及ぶブックレットのこと。全曲の楽譜に加えてさまざまなワンポイント・アドヴァイスが書き込まれた充実の内容で、演奏者への細やかな心配りが行き届いた作りとなっている。ということでまたしても〈持ちたい所有したい〉って気持ちを大いに掻き立てられるパッケージに仕上がっている。
