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天才・斎藤宏介との共同作業

――あー、なるほど。では、先程からお話に挙がっている“ICY”についてもお伺いさせてください。斎藤さん、TenTwentyの提供曲は今回で4回目ですね。

「そうですね。実はお付き合いが長くて、須藤(優)くんもライブを見に来てくれたことがあるんです。2021年に主演した『ただ離婚してないだけ』というドラマがあるのですが、今までやらせてもらっていたお芝居よりもディープな作品だったんですね。濡れ場があったり、人を埋めるシーンがあったり、俳優として転機になるなと思っていて。プロデューサーと〈曲ってどうするの?〉と話をしていたら、〈まだ決まっていないけど何かある?〉と。

ちょうどその時斎藤くんとご縁があったから、〈俺にとってのターニングポイントになりそうだから力を貸してほしい。斎藤君の曲の世界観と合うと思う〉と言ったら、曲を書いてくれました。しかも、1週間しか時間がなかったのですが、2曲も作ってくれて。当時コンペに出したところ、最終候補3曲まで残ったけど漏れてしまって、僕のために書いてくれた曲が2曲ずっと手元にあったんです。その後ソロになってからシングルやアルバムで、その曲をリリースさせてもらった流れがありました」

――長くお付き合いがありますが、北山さんは斎藤さんの歌詞、TenTwentyの曲に対してどのような印象を持っているのでしょうか。

「(食い気味に)天才! コード進行やメロディーラインなどがキレイなんですよね。毎回スタッフ一同感動しています。でも、僕が斎藤くんっぽく歌ってもよくないなと思っていて。僕が歌うならこうなるな、MVはダンスが入ったりショーアップされたりするよねと、オリジナリティを入れて新しいものとして世の中に出す。それができるのが斎藤くんの曲だし、面白いところだなと思っています」

――たしかに、“ICY”も〈斎藤さんっぽさ〉は感じるのですが、しっかり北山さんの曲として昇華されているなと感じました。

「そうなの。僕に向けて書いてくれたからそうなっているんだと思います。斎藤くんのあの透き通ったハイトーンボイスと戦ってもしょうがないからさ。わざと中毒性のあるダンスをつけて、〈僕のフィルターを通したらこうなるよ〉と提示をしました。

しかも、ちょうど『ULTRActi:on』のリリース日って斎藤くんの誕生日なんですよね。斎藤くんに〈“ICY”がリード曲のアルバムが6月24日に出るよ〉と連絡したら、〈俺の誕生日だ。誕生日プレゼントありがとう〉と言われました(笑)。こちらこそ、ですよね」

――すごいエピソードですね……! ちなみに、レコーディングの時はどんなことを意識されたのですか?

「言葉を粒だてないように歌いました。後ろの軽快な感じのリズムにスッと入っていくような感じの歌い方にして、サビもファルセットと地声を行き来したり。流れるように歌いたかったので、そういったアプローチはしましたね。アレンジももっとブラスっぽい音が鳴っている部分もあったんですよ。でも、〈なくていい、なくていい!〉って(笑)。言葉の伸びやかさみたいな部分を際立たせたかったんですよね」

――あぁ、なるほど。たしかに最初〈氷のように冷たく硬質な雰囲気と、主人公の抑えきれない情熱が激しく交錯するドラマティックな楽曲〉という曲の説明だけを読んだ時に、毒々しい感じなのかなと思ったのですが、実際に聴くと想像以上に軽快ですよね。

「そう、そう。そのギャップがめっちゃいいなと思っていました。斎藤くんがどういう意図でこの歌詞を書いたのか説明を受けていないのですが、〈曲を作っていたら歌詞もできちゃったから、そのまま送るね〉と。聴いてみたらめちゃくちゃ良くて。斎藤くんの日本語選びと綺麗なメロディの相性がすごく良かったので、僕はまったく手を加えませんでしたね。その代わりMVの中毒性を上げる試みをした、という形です」

 

ペンライトを持ちながら〈ICYダンス〉はできない?

――その振りも、めちゃくちゃSNS映えしそうです。

「サビの振りは10パターン以上みんなで考えましたね。見どころは3つあって。まずはやっぱりサビ。とっても簡単になっているので、そこは皆さんと一緒に楽しめたらいいなと思います。2つ目は〈ICY...〉と繰り返しているところ。そこも単純な振りなので、真似してくれると嬉しいですね。それと間奏部分。ここも中毒性があるので、見てほしいです」

――ファンの方々はライブで踊っても楽しめそうですね。

「いや、できないと思うよ。みんなペンライト持ってるから(笑)」

――あ、そうですね!

「そう(笑)。でもどうなるかわからないですよね。斎藤くんの〈北山くんはこういうのをやったほうがいいと思うんだよね。ライブでやったらきっと盛り上がる〉という思いを膨らましてできた曲だから、楽しくなれるのは間違いないと思うんですけど。今年のライブでどう育っていくのか楽しみです」

――おっしゃる通りです。

「今までの僕の楽曲って、どちらかと言えば〈夜〉のイメージでしたが、“ICY”って〈昼〉のイメージなんですよね。僕は、前の事務所でデビューをして、TOBEでデビューをして、RED ONでデビューをするという3回のデビューを経験しているわけです。3回目ですから、今までとは違った昼間のイメージでやってみようということで、前作の“ULTRA”ができていて。

だから、“ICY”も明るく楽しめる曲に育っていくんだろうなと思います。そもそもこの曲って、僕のことを知らなくても〈楽しいな〉と思えるはずなんです。どう広がっていくのか、という部分も注目したいと思います」