めくるめく音楽のジェットコースターに乗って、どんなことがあっても来る明日へ向かう――エンタメ精神に溢れたファンキーな5人組が過去最高にポップな新作を完成!

 〈エンタメ度満点〉〈ミュージカルのよう〉と評されるライヴの旨味と、スタジオ作品ならではの細部のこだわりを全部乗せ。GET BILL MONKEYS(通称ビルモン)のニュー・アルバム『I MUST GO ON』は、バンドの新たな入門編として制作された前作『Monkeys Collection』を超える、いわば超入門編だ。

 「ミュージカル映画のサントラみたいにしたいなという意識はありました。スタッフさんや、編曲で携わっていただいた方々のおかげで、予想を遥かに超える大作が出来たなと思います」(湯口翔平、ヴォーカル)。

 「全体的に〈ポップでキャッチー〉ですが、個人的には〈難しい〉と感じる曲が多いです。そこを〈難しく聴こえさせない〉ところがポイントですね」(貝吹‘KONG’裕一郎、ドラムス)。

 「個々の曲はもちろん、全体的な流れに非常にこだわって制作したので、そこも注目してほしいです」(カワコウ、ギター)。

 「過去イチでいいアルバムです! 自分自身、ストーリー性のあるアルバムが大好きで何度も聴いてしまう癖があり、この作品はまさにそういった性質を持っているんじゃないかな」(カワブチ コウタ、ベース)。

 「聴いたことがある人も、初めての人も、長く楽しんでいただける作品です。初めて聴くのに懐かしさを感じるのがビルモンのいいところだと思います」(ノロ ナオキ、キーボード)。

GET BILL MONKEYS 『I MUST GO ON』 SELECTIVE(2026)

 何と言っても耳を惹くのは、全編にフィーチャーされた管楽器、弦楽器のゴージャスなアレンジ。ソングライターである湯口のルーツ、EW&Fを筆頭とする70~80年代のディスコやファンク、そしてサザンオールスターズやMr.Childrenをはじめ、80~2000年代にかけてのJ-Popのエレメンツを軸に、メンバーが各々の美学を音に注ぎ込む。5人のバランスは最強だ。

 「過去にも“始まりの鐘”や“二人の隠れ家”などミュージカル風の曲はありましたが、“君を待っている”は、そんなシリーズの集大成になったなと思います。後半で6/8拍子に変わるところ、〈I love you〉の繰り返しは涙なしでは聴けません」(ノロ)。

 「僕も、お気に入りは“君を待っている”ですね。最近カントリー・ギターにハマっていて、チェット・アトキンスやジミー・ブライアントみたいな、かっこいいというか、プリティなギターが好き。ビルモンの持つミュージカル的な要素と、うまくマッチできたなと思います」(カワコウ)。

 「“ダンスはこれから”が好きです。ライヴで弾くとすごく楽しくて、ストレス発散になるというか、そんな曲は初めてです。これを演る時は、なぜか『スクール・オブ・ロック』が頭に浮かびます」(カワブチ)。

 「誰も得しない情報ですが、“泣いちゃえ!”は、ドラムで両手が重なるところがほぼないです。タワー・オブ・パワーを聴いていた時期に作ったので、リニアのパターンとまでは行かないにしても、常に両手がバラバラになるように、無駄に自分を苦しめてみました」(KONG)。

 しかし、サウンドがポップに華やかになればなるほど、内側に秘めた哀愁がじんわりと滲みだす。音とハートの魅力的なアンビバレンツ、それもまたビルモンの大きな魅力の一つ。

 「歌詞を読んでもらって〈ダメダメだけど前向きに楽しく生きてる奴もいる〉って感じてもらえたら、大成功かなと思います。例えば“泣いちゃえ!”の歌詞は、どこか素っ気ない気もするけど、いちばん自分を見てくれていて、〈好きにしたらいいと思うけど、なんかあったら僕がいるし、その時考えようよ〉って感じです。自分もこういう友達に救われましたし、お客様にとって僕らがそういう存在になれたらと思います」(湯口)。

 笑って踊ってホロリとして、最後は明日への希望をしっかり感じて終わる。一幕のミュージカルを見たような後味のアルバムに、『SHOW MUST GO ON』というタイトルは相応しい。……いや、そうじゃない、タイトルは『I MUST GO ON』だ。

 「最初は『SHOW MUST GO ON』にしようと思っていました。でも〈SHOW〉だと少し遠くなっちゃう気がして、リスナーの方もステージに立つ自分たちも裏側ではいろんな感情がある人間なので、どんなことがあったって明日は来るし、進み続けなければいけない。なので、もっと近くてリアルに感じられる〈I〉にしました。良くも悪くも、進み続けなきゃということです」(湯口)。

 最後に、〈タワレコのポップ担当に成り代わってアルバムのキャッチコピーを書いてください〉と、全員に訊いてみた。どの回答も捨てがたい。が、個人的に気に入ったコピーを最後に書いておこう。

 「このアルバムは、うどんでいう七味。ピザでいうタバスコ。あなたの人生のスパイスにどうぞ」(KONG)。

GET BILL MONKEYSの作品。
左から、2019年作『Cinematic ROMANCE』(Present)、2021年作『Wonderful LAND』、2025年作『Monkeys Collection』(共にSELECTIVE)