エルミーンがFujii Kazeとコラボした新曲“Comets + Gold”をリリースした。Fujii Kazeがエルミーンの楽曲をカバーしたことをきっかけに、急速に距離を縮めた2人が、ついに念願の共演を果たした。なお、“Comets + Gold”は2026年7月31日(金)にリリースされるエルミーンのデビューアルバム『sounds for someone』の国内盤ボーナストラックとして収録されることも決定している。

8月には〈SUMMER SONIC 2026〉にも出演するエルミーンに、Fujii Kazeとの楽曲制作などについて話を聞いた。

ELMIENE, Fujii Kaze 『Comets + Gold』 Polydor/Def Jam(2026)

 

僕とFujii Kazeの中間地点に位置するような曲 

――Fujii Kazeさんとコラボした新曲“Comets + Gold”、とてもメロウで温かい気持ちになるR&Bバラードですね。どういった経緯で制作されたのでしょう?

「曲自体は3年前ぐらいにはあって、元々は自分の曲として書いたものだったんだ。ただ作った当時は作品として上手くまとまらなくて。それからずっと発表できずに寝かせていたんだよね。

すごく気に入っていた曲だし、どうにかして世に出したいと思っていた。そんな時にFujii Kazeと出会ったんだ。彼と交流を深めていくなかで音楽との向き合い方やピアノの弾き方なんかを側で見て、〈ひょっとしたら彼と何か一緒にできるかも〉と思ったんだ。それから〈この曲を一緒にやらない?〉と音源を送ったら、彼も気に入ってくれて。そのままやりとりをしていって完成したんだ」

――Fujii Kazeさんとは具体的にどんなやりとりを?

「曲の原型はそこまで大きく変わっていないけど、彼が音源を戻してきてくれたとき新しいピアノのコードが付いてたんだ。それを受けて僕も2番のヴァースを書き直したりして、それから彼とロサンゼルスで会う機会があったから僕のプロデューサーのヤコブも交えて3人でレコーディングしていった。ハーモニーとかも3人で考えたりしたけど、こうして大事な曲に新しい命が吹き込まれて、ようやく世に出せたことが本当に嬉しいよ」

――〈新しいピアノのコード〉を聴いた時はどう思いました?

「自分が書いた曲だけど、本当に色が変わったというか。彼が新しくコードを付けてくれたからこそ、僕も2番のヴァースが書けたと思う。彼が本来持っている世界観を曲に持ち込むというか、その世界観をこうやって築けばいいんだっていうヒントになったね。

あと、彼のハーモニーの付け方も大事な要素だった。すごく上手いんだよね、ハーモニーの付け方が。それがこの曲の方向性っていうものを示してくれたと思うし、ちょうど僕と彼の中間地点に位置するような曲ができたと思う」

――曲を完成させていく過程でFujii Kazeさんと何かイメージを擦り合わせたりはされましたか?

「僕がこの曲に抱いていたのは、1人で孤独に生きている人があまりにも孤独で宇宙に飛んでいって彷徨っている、そんなイメージだった。どうやら彼も同じように何か宇宙を浮遊しているようなイメージを持っていたみたいで、それで彼と僕がお互いを見つけ合うようなシナリオを思い浮かべたんだよね。

最終的には彼のための書いた2番のヴァース、(実際に歌いながら)〈Oh, I’m traveling at the speed of light/You would think that I’m invincible/No, ’cause I’ve been here before/You don’t stand alone〉のように、孤独な人たちがお互いを見つけるようなストーリーになったんだ」 

 

Fujii Kazeの歌声の響きは「複数のレイヤーを重ねたとき際立つ」

――個人的に“Comets + Gold”を聴いて、お2人の歌声には同じ成分が含まれているように感じました。あなたはよくベイビーフェイスなどと比較されたりもしますが、自分の歌声を客観的にどう捉えていますか?

「ベイビーフェイスを挙げてくれたけど、彼は最高だよね。まさにいい例だよ。彼の歌をたくさん聴いて歌ってきたりしていくなかで、僕は自分の歌声を見つけられたんだ。

彼が書いた曲……ボーイズIIメンやホイットニー・ヒューストンの曲(ホイットニーの“Exhale (Shoop Shoop)”を少し口ずさむ)なんかもフレージングがとにかく美しい。それとスティーヴィー・ワンダー、ダニー・ハサウェイの歌声にも影響を受けているけど、やっぱりベイビーフェイスは特別だね」

――では、あなたが思うFujii Kazeさんの歌声の魅力は?

「彼の声は複数のレイヤーを重ねたとき、その響きが際立つ点でとても魅力的だ。アーティストによっては声を重ねるとあまり響きが良くないと感じる人もいるけど、彼の声は本当に良く響く。

そうした特徴があると緻密なボーカルアレンジを施す余地が生まれる。本当に彼の声を心から愛しているし、技術的な部分でもとても尊敬しているよ」

――そんなFujii Kazeさんと実際に声を重ねてみていかがでしたか?

「すごく良かった。僕自身これまでコラボレーションというものをあまりやってきてないけど、同じ部屋で一緒にアイディアを出し合いながら曲を作っていった経験は今回が初めてで。一緒に声を重ねていくことによって曲がどんどん生まれ変わっていく、それを直接感じることができたのはすごく楽しかったね」

――せっかくの機会なのであなたのことももっと知りたいのですが、例えば〈あなたを構成するアルバムを3枚選んで〉と言われたら何を選びます? 

「OK。でもスティーヴィーのアルバムを3枚挙げるようなことはしないでおくよ(笑)。それでも最初に思いついたのはスティーヴィーの『Songs In The Key Of Life』(1976年)。それとミュージック・ソウルチャイルドの『Aijuswanaseing』(2000年)。あと1枚は……ちょっと待って、今すごいいろんな曲が頭の中で鳴ってる(笑)。そうだね、今ならディアンジェロの『Black Messiah』(2014年)かな」

STEVIE WONDER 『Songs In The Key Of Life』 Motown(1976)

MUSIQ SOULCHILD 『Aijuswanaseing』 Def Soul(2000)

D'ANGELO AND THE VANGUARD 『Black Messiah』 RCA/ソニー(2014)

――いずれも名盤ですね。では、もし“Comets + Gold”と合わせてもう1曲リスナーに薦めることができるとしたら?

「そうだなあ……今思い浮かんだのはオリータ・アダムスの“Get Here”(1990年)。すごく気に入っている曲なんだよね。もう1曲挙げていいならボニー・レイットの“I Can’t Make You Love Me”(1991年)。これも素晴らしい曲だよ」

 

新しい時代は集団から生まれる

――あなたを含めオリヴィア・ディーンやローラ・ヤングなど、現在UKのソウル/R&Bシーンはすごく盛り上がっていますよね。ご自身ではこうしたシーンの活況をどう受け止めているのか気になります。

「今言ってくれたとおり、最近のUKのソウル/R&Bシーンってすごく活発的でワクワクするし、こういう状況って久しくなかったと思うんだ。多分これ以前だとクレイグ・デイヴィッドやフロエトリーが出てきたあたりなんじゃないかな? 彼らのようなアーティストたちは、この小さな島国だけにとどまらず、その外にも届くぐらい大きなムーブメントを作り出してくれた。

そして今、偶然にも素晴らしいアーティストたちが集まっている。僕もそうした新世代の一員でいられてとても幸運だし、新しい時代を迎えるときというのは集団としてでしか変化は生まれないと思っているんだ。当たり前だけど、1人のアーティストが時代を変えることなんて簡単にはできないからね。

すごくいい例がディアンジェロやソウルクエリアンズだよ。ディアンジェロ、ザ・ルーツ、J・ディラ、エリカ・バドゥ、ローリン・ヒルなど、何か一つのジャンルを定義付づけるような瞬間は常に多くのアーティストたちによって作り出されるのだから。今、自分もそういった瞬間を生み出せるグループの一員でいられてすごく嬉しいよ」

――8月には〈SUMMER SONIC〉の出演も控えています。日本での初ステージとあって本当に楽しみです。

「僕も本当に楽しみだよ。実際すごく楽しいステージになると思う。自分の表現したい音楽を通じて、こうして日本に来れること自体がすごく嬉しいし、日本の音楽ファンの人たちやFujii Kazeとも実際つながれたわけだからね。ぜひたくさんの人たちに見に来てもらいたいね」

 


RELEASE INFORMATION

ELMIENE, Fujii Kaze 『Comets + Gold』 Polydor/Def Jam(2026)

リリース日:2026年6月19日(金)

TRACKLIST
1. Comets + Gold

 

ELMIENE 『sounds for someone』 Polydor/Def Jam(2026)

■国内盤
リリース日:2026年7月31日(金)
品番:UICP-1218
価格:3,300円(税込)
歌詞・対訳・解説付
“Comets + Gold”スペシャルブックレット8P封入(“Comets + Gold”MV撮影のメイキング写真を使用したブックレット)

TRACKLIST
1. Moment
2. Cry Against The Wind
3. Saviour
4. Reclusive
5. Time Doesn’t Heal
6. Honour
7. Don’t Say Maybe
8. Special
9. Lie With Me
10. Light By The Window
11. Lonely People
12. Told You I’ll Make It
13. Comets + Gold with Fujii Kaze*
*日本盤ボーナストラック

 

LIVE INFORMATION
SUMMER SONIC 2026

2026年8⽉14日(⾦)・15⽇(⼟)・16日(⽇)
公式サイト:https://www.summersonic.com/

 

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