プラグワゴン・クライスト名義でコンスタントなリリースはあったものの、ルーク・ヴァイバート自身の名義としては2009年の『We Hear You』以来、実に5年ぶりとなる新作。ワープでもプラネット・ミューでもなく、もちろん古巣のモ・ワックスでもなく、新たにハイパーカラーからのリリースであることに驚きを隠せない方も多いでしょうが、肝心のサウンドのほうは原点回帰のアシッド路線。愛機TB-303を引っ張り出し、縦横無尽に駆け巡るビキビキでウニョウニョのサウンドは、アシッド・ハウス再評価の機運が高まる近年のシーンにあっても、古臭さや懐古的な響きは皆無。常に時代の半歩先を行く男らしく、ここにきて時代と歩調を合わせてもなお格の違いを見せつけるのだから、やはり只者ではありません。