今年10月にデビュー8周年を迎えたLM.C。彼らより、前作『PERFECT FANTASY』からわずか10か月でニュー・アルバム『PERFECT RAINBOW』が到着した。
「前のアルバムをレコーディングしているときにタイトルが閃いたんです。ファンタジーの向こうに虹がかかっていたらステキだなって」(maya、ヴォーカル)。
「8歳になったLM.Cの答えが音の佇まいや深さを増した曲の世界観に出ていると思います。熱量やテンションはまったく変わらず大人になっている」(Aiji、ギター)。
そんな本作の冒頭曲――宇宙の営みを感じさせるようなインスト“VantaBLACK”は、今夏にイギリスで開発された〈地球上でもっとも黒い素材〉の名前からタイトルが付けられた。
「8曲入りのアルバムだけど、虹の色は7色だなって思っていたら、ニュースで〈Vantablack〉の存在を知ったんですよ。地球に存在するもっとも黒い物質が宇宙の暗闇みたいなイメージでそこから光が射していって、いろんな色の物語が始まったら最高だなって」(maya)。
ロックやヒップホップ、J-Popを行き来するアプローチとキャッチーなメロディーが、LM.Cらしい夢のある物語を紡ぐ。リード曲“MOGURA”はAiji によるキレ味抜群のギターとマシンガンのように放たれるmayaのリリック、畳み掛けられるビートが脳内の興奮物質を増幅させるナンバーだ。
「キャリア的には安定期なのかもしれないけれど、そこに一石を投じる意味でいちばん勢いのある曲を選びましたね。もっとリード・トラックになりそうなメロディックな曲はあるのにあえてこの曲を持ってきた。MVでもロック然としたカッコ良さを追求してます」(Aiji)。
「最初は〈犬〉を主人公にしようかなと思ったんですよ。でも作った曲を聴いているうちにモグラ感を感じて(笑)、結果的に自分の可能性をどこまでも掘っていく貪欲な主人公の曲になりましたね」(maya)。
前作はEDM寄りのアプローチの曲が多かったのに対して、今作はバンド・サウンドに置き換えられる曲が多いのも特色。〈PERFECT〉シリーズを2枚揃えたら、よりLM.Cのファンタジー感、日常に虹を架けるストーリーが楽しめそうだ。そして後者は、〈宇宙に架かる伝説を僕らは手に入れる〉と歌う“Brand New Rainbow”でハッピー・エンディングを迎える。
「最後は未来に待つ希望に向かって進んでいく力強さ、開放感、躍動感のある曲にしたかったんです」(Aiji)。
「『PERFECT RAINBOW』というタイトルがあったからこそ書けましたね。〈虹〉って身近にある奇跡だと思うし、見たらみんな幸せな気持ちになると思うんですよ。いちばんLM.Cらしいメッセージを込めてますね」(maya)。
▼LM.Cの近作を紹介
左から、2012年作『STRONG POP』(ポニーキャニオン)、2014年作『PERFECT FANTASY』(CJビクター)
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