全米で話題沸騰の“踊るヴァイオリニスト”が日本上陸!
新しく、いままでにないものを生みだそうとするエネルギーがぎっしりと詰まったアルバムである。
クラシカルな香りのするヴァイオリンという楽器をメインに据え、そこにロックやEDM/エレクトロニック・ダンス・ミュージックの要素をふんだんに取り込んだハイブリッドで斬新な音楽性。そこに新たな生命を吹き込むのは、ヴァイオリンを弾きながら時にしなやかに、時にアクロバティックなダンス(なんと独学!)を披露する完成度の高いビデオクリップ。YouTubeから人気の火が点き、全米で話題沸騰の“踊るヴァイオリニスト”、リンジー・スターリングが昨年発表した最新作『踊る!ヴァイオリン』が日本でもリリースされた。DVD付きの限定盤では、原題タイトル曲である《シャター・ミー》と日本版限定のカヴァー《千本桜》のビデオも収められている。
「普通、こんなのを合わせても無理、と思うような組み合わせから新しいものができる」というスターリング。エヴァネッセンスやパラモアが大好きという彼女のロックな一面とEDMを合体させた《シャター・ミー》や、ヴァイオリンがエレキギターと真っ向からぶつかり合う《ラウンドテーブル・ライバル》(西部劇風のPVも楽しい!)などは彼女の本領発揮といえるトラックだ。
ヴァイオリンとの出会いは、父親に連れて行ってもらったオーケストラのコンサート。「真っ赤なドレスを着て、すごいソロを弾く。まるでロックスターみたい」とヴァイオリンのソリストに一目惚れした。そして、6歳の時にヴァイオリンを始めた彼女の現在のスタイルが形作られるのは高校生の頃だ。
「クラシック音楽のように何百年も続いているものより、自分で新しいものを作ったほうがいいんじゃないかと思うようになったの。それでロック、エレクトロニックからヒップホップ、カントリーまでいろんな音楽にチャレンジしたわ。そうすることで自分の音楽というパレットに載る絵の具の種類が増えてきたと思う」
同じ時期に真剣に取り組んでいたのが映像制作。映画の脚本作家をしていたという父親の影響で、学生時代は映画監督を目指して勉強していたという。
「ビデオの制作現場ではしつこくチェックするから、スタッフは疎ましく思っているんじゃないかしら(笑)」
今回は2013年に発表されていたファースト・アルバム『リンジー・スターリング』もリリースされ、3月には来日公演も成功させた。音楽、映像、そしてステージでオーディエンスを楽しませてくれるパフォーマンスが、ついに日本も飲みこむ。