マリーナ・アンド・ザ・ダイアモンズ改めマリーナ名義での2年ぶり、通算5作目となるアルバムには、ますます彼女らしいレトロでキッチュな感覚が山盛り。古代文明を引き合いに女性差別やLGBTQ問題など現代的な不条理を訴えるユニークな切り口の“Man's World”やタイトル曲をはじめ、説得力も抜群。後半にはウィットに富んだメランコリックなラヴソングが並び、痛快なポップ・ワールドを展開している。ハインズやベス・ディットーなどガールズ・ロックを得意とするジェニファー・デシルヴェオと共にプロデュースを手掛けたサウンドは、ギラリとグリッターかつエレクトロニックな感触も随所に挿入。フローレンス・ウェルチからラナ・デル・レイまでが見え隠れする七変化ヴォイスも絶好調だ。