森口博子の夏モードなアニソン・カヴァー第2弾!!

森口博子 『ANISON COVERS 2』 キング(2024)

 近年、自身の原点である〈アニソン〉に改めて向き合い、話題性だけでなくあっぱれな歌唱力、表現力も広くリスナーの耳に届けてきた彼女の『ANISON COVERS』第2弾。今作でのカヴァーは80年代から2000年代前半までに至り、アニメ作品に触れていないリスナーにとっても〈こんなイイ曲あったの!?〉という驚きがあって楽しい。〈仕上がった〉と誇るボディーも眩しいアートワーク共々、夏らしき香りも今作のチャームで、“想い出がいっぱい”“ゆめいっぱい”といったところでは鳥山雄司のブリージンなギターが火照った肌を癒やすようだし、セルフ・カヴァーとなる“BE FREE”は和やかなフォークロア。リゾート風情のサイダーポップ“微笑みの爆弾”では思わず裸足で砂浜を駆けたくなるような気分に――という、アレンジによって随所で映し出される普遍的なノスタルジアも美しい。 *久保田泰平

 

CHiCO、多彩なソロ初作で覚悟と決意を歌う!

CHiCO 『CONTiNUE』 MusicRay'n(2024)

 昨年にHoneyWorksとの活動を休止し、ソロとしてのキャリアをスタートさせたCHiCOのファースト・アルバムが登場です。川崎智哉の作・編曲で半端ない爽快感を放つ“TRUE BLUE SKY”、大塚愛のキュートなポップセンスが冴え渡る“fam!”など既発曲を筆頭に、豪華作家陣を招いた12曲を収録した同作。SPYAIRの面々によるパンク“インパーフェクト”、ボカロPのjon-YAKITORYが重厚かつグルーヴィーなロックに仕上げた“Noise Cancel”、FLOWとコラボしたミクスチャー“我物語”など多彩な音作りのなかで浮かび上がるのは、CHiCOに備わる圧倒的な主人公感。新たな道に踏み出す覚悟がそこここから醸し出されている歌詞も胸熱です! *田中亮太

 

上坂すみれの10年を凝縮した特濃2枚組ベスト!!

上坂すみれ 『SUMIRE CATALOG』 キング(2024)

 革命的ブロードウェイ主義者同盟を立ち上げて10年、声優・上坂すみれのアーティスト活動を集大成した2枚組ベストが登場! プログレからDビートまで節操なく取り入れたシングル全15曲はもちろん、電波ソングやらユーロビートやら正調シティポップやら本人のサブカル趣味を全開にした特濃曲が山盛り。声優として初のキャラソン“ソライロ”のセルフ・カヴァーという反則級の感涙曲もありつつ、同志(ファン)との終わることなき革命の日々への想いを自身の作詞で形にしたハイパーお祭りソング“見参!革ブロ☆ふぉーえばー”、憧れの存在である桃井はるこ提供の愛と多幸感に満ちた“ファーストピリオド”という新曲で、この先もまだまだ続くであろう未来への希望と感謝の気持ちを示したアニヴァーサリー感のある大作に。すみぺの革命は永遠です! *北野 創