この5年間のVALSHEサウンドを支えてきたクリエイターたち

 VALSHEを語るうえで外せないのが、彼女のほぼ全作品に作詞/作曲/サウンド・プロデュースなどで関わっているminato。流星Pの名前でも知られる彼はボカロ・シーンの黎明期より活躍してきたクリエイターで、代表曲“magnet”をはじめ少し翳りのあるメロディーと多彩なアレンジで人気を集め、2010年には初の全国流通作品となるアルバム『magnet -favorites plus-』を発表。その直後から〈チームVALSHE〉として裏方に回り、彼女の作品世界を支えてきた。11月にはトゥライ名義で歌手デビューも控えており、いずれはVALSHEとのコラボも期待できそう?

11月にリリースされるトゥライのニューアルバム『ブラックボックス』収録曲“ブラックボックス”

 そして彼女の活動初期からたびたび楽曲を提供しているのが、現在レーベルメイトでもあるボカロPのdoriko。バラード系の評価が高い彼らしく、“君への嘘”(minatoとの共作)など感傷的なスロウでの仕事が印象的だ。

VALSHEの2015年作シングル“君への嘘”

 編曲では、デジタル・ゴシックなシングル曲“TRIP×TRICK”をはじめ多数の楽曲を手掛けるG’n-も欠かせないが、水樹奈々やKOTOKOらアニソン周りの仕事も多い齋藤真也のトランス寄りなサウンドメイクも、VALSHEのイメージ作りに大きく貢献しているはず。最近では、元HΛLのメンバーでAAA“アシタノヒカリ”やClariS、i☆Risなどを手掛ける丸山真由子の起用も目立っている。ほかにも、元Elements Gardenの中山真斗、ZYYGでの活動で知られる後藤康二、大西俊也(IVORY7 CHORD)といったギタリスト系のアレンジャーが多く参加しており、今後さらにロックへの傾倒が進むのかも。