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サーファーの奏でるサウンドを浴びながら、太陽のシーズンに備えよう!

 夏の到来が待ち遠しいこの季節には、潮風を感じる音楽が聴きたい!……という、あなたの欲望を満たしてくれるサーファー兼ミュージシャンを紹介しましょう。まずは、ディック・デイルや初期ビーチ・ボーイズのテケテケ感と中東歌謡をドッキングさせ、〈フジロック〉出演を機に日本でもブレイクしたイスラエルのブーム・パムから。彼らみたいなアウトドア感たっぷりのサーフ・ガレージ・バンドは、陸サーファーの巣窟であるバーガーにはいますまい……と思ったら、1組忘れてました! それが、カリスマ的な人気を誇るフリースタイル・ライダーアレックス・ノストを中心としたトゥモローズ・チューリップ。自身のデザインするボードもレトロなスタイルで統一している彼ですが、音楽でも60sサイケ趣味を開陳しています。

トゥモローズ・チューリップの2015年作『When』収録曲“When”
 

 そのアレックスと同じルーカのサーフ・チームに所属するハワイ生まれのマクア・ロスマンは、ジョン・フェルドマンをパートナーにジャワイアンAOR名盤『Sound Wave』を発表し、シンガーとしても華々しくデビュー。ほかにも、レゲエ・ポップ系ではアイレーションロブ・マチャドもライヴに足繁く通っているんだとか!)や、ザヴィエル・ラッドユナイテッド・ネーションズの合体バンドほか、注目株が目白押しです。

マクア・ロスマンの2014年作『Sound Wave』収録曲“Fight The Sun”
 

 さて、10年ちょっと前は〈サーフ・ミュージック〉と言うと、ジャック・ジョンソンなどブルージーなシンガー・ソングライター作品をイメージする方が多かったと思いますが、もちろんその系譜も途絶えてはいません。TVタレントや映像作家の顔も持つニック・サクソンもそうですし、本業で過去に3度の世界チャンピオンに輝くトム・カレンもそう。後者はジム・ケルトナー参加(!)による最新作『In Plain View』(USリリースは2013年)が昨年に日本盤化され、来日ツアーを行ったことも記憶に新しいですよね。さあ、どれから聴きましょうか。 *山西絵美

トム・カレンの2013年作『In Plain View』収録曲“Summerland Road”