数々の音楽家が崇拝する、ブラジルが産んだ鬼才、エグベルト・ジスモンチを父に持つピアニスト/コンポーザー、ビアンカ・ジスモンチの最新作。ブラジルのフォルクローレ、クラシック、現代音楽、ジャズなど、様々な要素を取り入れた独創性とその演奏技術の高さは、本作でさらにスケールアップした印象を受ける。静寂から突如として激しいインタープレイへ、美しい旋律から不協和音へ、自由に駆け巡る楽曲とその表現力、そしてコンポージング・センスに驚かされる。優れた演奏家としても、作曲家としても、もはや〈エグベルト・ジスモンチの娘〉という肩書きは不要。本作を聴いてその想いを確信した。

 


エグベルト・ジスモンチの娘で、ピアニスト/作曲家として活躍するビアンカのトリオ作品。フォルクローレ、クラシック/現代音楽、ジャズからの影響を溶け合わせ、抒情的な美しい旋律から突如不協和音に逸脱したり、型破りなテンポ変調を見せるなど、自由奔放でイマジネーション豊かな楽曲を聴かせてくれる。と同時に、穏やかな波に揺られ続けているかのように不思議な安らぎが得られるところも大きな魅力だ。

『Primeiro Ceu』収録曲“O primeiro ceu de Marina”のライヴ映像