新たな空へ向かって打ち鳴らされる、破竹のサード・アルバム!!!

ハイ・コントラスト以来の衝撃〉と謳われ、ホスピタルからドラムンベース界に鳴り物入りでデビューしたネットスカイが、〈Ultra〉出演を足掛かりに、3枚目のアルバム『III』でメジャー進出を果たした。過去にジャック・ユージェシー・Jマデオンらのリミックスを手掛け、2012年のセカンド・アルバム『2』では、ハウスやヒップホップにも取り組んでプロダクションの拡張も完了、さらに近年はバンド・セットによるライヴでも手応えを掴み、新たなステージへ向かうために着々と環境整備を行っていたわけで、ようやくこの時を迎えたといえるだろう。

NETSKY III Epic/ソニー(2016)

 エミリー・サンデーを起用したリキッド・ファンク“Thunder”や、サンバを採り入れた昨年のアンセム“Rio”などお約束のキャッチーなドラムンベースを中心に据えながら、セイント・レイモンドとはソウル・ポップ“Leave It Alone”、クローメオデイヴ・ワンとはブレイクビーツ・ファンク“TNT”で軽妙洒脱に邂逅。チルウェイヴベース・ミュージックな“Forget What You Look Like”ではローウェルフューチャー・ハウス“Higher”ではジャウズの力も借り、彩りはより豊かになっているが、ドラムンのDNAがさりげなく注入されているあたりも逃さず聴いてほしいところ。先述のハイ・コントラストはいまやアンダーワールドの最重要コラボレーターとしてエレクトロニック・ミュージック・シーンで広く名を馳せているが、このネットスカイはどこまで昇り詰めていくのか、そんな点でも期待を抱かせる作品だ。