2016年もNegiccoから目が離せない。2月~5月にかけては、mabanuaら擁するNEGiBANDを引き連れての全国ツアー〈Negicco Second Tour “The Music Band of Negicco”〉を行い、その勢いのまま5月24日にサード・アルバム『ティー・フォー・スリー』をリリース。坂本真綾やOKAMOTO'Sらが参加した同作は、珠玉のポップ・アルバムとして高い評価を受けている。さらに7月30日には、キャリア最大規模のワンマン・ライヴ〈Negicco 13th Anniversary 『Road of Negiiiiii ~TADAIMA~ 2016 Summer at NHKホール』〉を開催。盛況のうちに終了した同公演の模様を収録したBlu-Ray「Negicco at NHKホール~TADAIMA~2016 Summer」を11月29日にリリースする。
今回は、NHKホールでのワンマンを終えたばかりのNegiccoに、プロインタヴュアーの吉田豪が直撃。彼女たちにとって激動と言うべきこの2年間を振り返る。この前編では、シングル“矛盾、はじめました。”リリース直後に起きた体調不良の連鎖という危機的な状況や、勇気ある告白も挿まれたNHKホールでのワンマン・ライヴにまつわるエピソードなどを語ってもらった。 *Mikiki編集部
2人が具合悪くなったときは、自分が行くしかないという気持ちだけでした(Megu)
――ボクがタワレコのサイトでNegiccoのインタヴューをやったのが2012年と2014年だったので、2年ぶりのインタヴューです。今日はこの2年間を振り返っていただきます!
Nao☆「わかりました! この2年はすごくいろんなことがあったねー」
――ボクがまず思い出すのは、次々と体調不良で倒れちゃったことですけど。
Nao☆「ああ、最近ですよね」
――ぽんちゃ(Megu)が1人で“矛盾、はじめました。”(2016年3月29日)のリリース・イヴェントをやって。ああいうときって倒れる側もしんどいと思うんですよ。身体的にもしんどいし、迷惑かけちゃって精神的にもしんどいし。
Nao☆「かなりしんどいです……。感じたことのないヤバさを感じて」
Kaede「Nao☆ちゃん、 サンスト(サンストリート亀/2016年3月30日)ではがんばってステージに立ってくれたんですけど、ライヴが終わったあとぐったりしてて、これはマズイと思った」
Megu「サンストの日の朝、Nao☆ちゃんが急に泣き顔で私の部屋に来たんですよ。〈具合が悪い……〉と言って、ホントにしんどそうだったし、熱もあった。1回病院に行ったんだよね」
Nao☆「朝に行った」
Megu「そのときはただの風邪って言われたんだよね。サンストのときもすごくぐったりしてたし、無理はさせたくなかったけど、本人はやると言ってくれて。でも、終わった瞬間に倒れちゃってね……」
Nao☆「結局、救急で診てもらって」
Megu「しんどそうだった」
――で、次の日のインストア(タワーレコード新宿店/2016年3月31日)は2人でやることになって。
Megu「リリース・イヴェントとツアーがあったので、2人でどう乗り切ろう、2人でできる曲はなんだろうとすごい考えて。落ちサビやメインの箇所はNao☆ちゃんのパートが多いので、なるべく2人でやれることを決めて用意してました」
――そしたら……。
Megu「そしたら次の日、かえぽ(Kaede)から具合が悪いという連絡が入りまして(笑)」
――そのタイミングだと言い出しづらいですよね?
Kaede「言い出しづらいし、すでに1人欠けているのでこれ以上は絶対に……と思ったし」
Megu「でも、がんばってたよ」
Kaede「インストアは一緒に出たんですけど、全然声が出てなくて。握手会でも〈(ウィスパー・ヴォイス)でありがとうございます……〉と囁くような感じでした。帰りのタクシーでスタッフさんに〈昨日のNao☆さんと同じ症状だと思います〉と言われて。ずっと寒気が止まらないし、これはヤバイかもしれないと思ってたんですけど。そしたら次の日に倒れてしまい。ツアーのこともあったので、ぽんちゃが2人で何をするかを一生懸命練ってくれていたから、やりたかったなという気持ちもありつつ、結局1人にさせてしまった……。苦しみながら〈ぽんちゃがんばれ!〉って布団でぐったりしながら気持ちだけ送っていました」
――結局、ツアーの山梨公演が中止になり、ぽんちゃが1人でリリイベ(オリナス錦糸町/2016年4月1日、イオンモール幕張副都心&タワーレコード渋谷店/同年 4月3日)をやることになった心境は?
Megu「“矛盾、はじめました。”が出る前から、トップ10に入りたいという気持ちはみんな共通で持っていたし、(それを目標に)ずっとがんばってきた。2人が具合悪くなっちゃったから、自分が行くしかないという気持ちだけでしたね。そこでトップ10に入らなかったら2人に申し訳ないし、2人も自分たちのことを責めちゃうような気がして。だから、1人でできることをがんばろうという気持ちでした」
――あのときはファンも団結する感じがありましたよね。
Megu「いてもたってもいられなくなって、県外からもいろんなファンの方が予定を変更して来てくれたり、2人の推しの人も〈2人もがんばっているから、ぽんちゃを応援しに行く〉と県外から駆けつけてくれたり。みんなが一丸となってNegiccoを支えようという感じになって、改めて〈チームNegicco〉の底力を感じました」
――最近だと6月中旬にNao☆さんが入院というのもありましたけど。
Nao☆「あれは28年生きていていちばんつらかったです……」
――そんなに!
Nao☆「丸一日の仕事が2日間続いていたんですけど、その前から5日間、38度の熱と喉の痛みでつばが飲み込めないし、ご飯がほとんど食べられなくて。栄養が摂れてないから薬も全然効かなかったし……。迷惑かけてしまいました」
――で、仕事が終わった瞬間に限界がきて。
Nao☆「〈ご飯も食べれないのはヤバイんで、いますぐ入院しなさい〉と言われたんですけど、東京で入院しても親は来られないし、新潟に帰ってから入院したんです。でも入院先が相部屋で、夜はクーラーが全然効かなくて。入院してた3日間はほとんど寝てないんですよ」
――暑くて。
Nao☆「暑くて。逆にノイローゼになるかと思うぐらいで。最初は点滴を打って良い感じになってきたんですけど、夜寝られない状況が続いていたから、逆に悪くなってきちゃって」
Megu「病院なのに悪化した(笑)」
Nao☆「これは早く退院したほうが良いなと思って。病院内で、Negiccoがいるというのが知れ渡ってしまったのに、スッピンだし髪ボサボサだしお風呂も入れないしで、大変なことになってました。ちょっと男の人が来たら〈さっき男の人が来てましたけど、どういう関係なんですか?〉とか訊かれたり」
――熱愛疑惑が(笑)。
Nao☆「男の人なんて熊さん(熊倉維仁/マネージャー)しか来てないし、〈私の関係者じゃないですよ!〉と言ったんですけど。あと、すごくグッタリして弱ってるのに〈サインもらっていいですか?〉と人が入ってきたり。嬉しいんですがタイミングが……。すごく親切にしてもらったけど」
Megu「全然休めなかったね」
Nao☆「やっぱり入院はしたくないですね。家に帰ったとき、マジでパラダイスかと思いました。この私が3日間ぐらいクーラーつけないで過ごしたんですよ?」
――〈この私〉という基準がわかんないですけどね(笑)。
Nao☆「すごい暑がりで、すぐクーラーをつけちゃうんですよ」
Megu「冬でもクーラーつけるんですよ」
Nao☆「だから死ぬかと思いました。かえぽママがお見舞いに来てくれたんです。かえぽと一緒に選んだ、疲れた身体を癒すというCDを持ってきてくれて、それを聴いてました」

私、やってていいのかなと、この1年間は苦しんでました(Kaede)
――体調不良以外はこの2年間、順調だった感じですかね?
Kaede「個人的には野音(2015年8月16日の東京・日比谷野外大音楽堂)以降、自分の納得いくライヴが全然できなかったんです。野音がピークなのかなと思ってしまって……」
Nao☆「〈野音がピーク〉と言ってたよね」
Kaede「自分のなかで、野音でもう終わりなんじゃないか、あれ以上のことはできないんじゃないかと自信をなくしていた。野音で〈武道館に立ちます〉と言ったけど、自分は付いて行けてないし、2人の足を引っ張っているとずっと思っていて。ツアーも心残りがある感じになっちゃったし、この1年間はすごく苦しんでました。私、やってていいのかな、辞めなきゃいけないかなって」
――つまり、そんな精神的に危ういときにBELLRING少女ハートを脱退した直後のもえち(宇佐美萌)との対談(CDJournal 2016年4月号に掲載)をボクが組んじゃったんですか!
Kaede「はい。そのときの対談でも〈私はいないほうがいい〉とか言ったんですけど……」
――でも、あの対談を組んで良かったと思ったのが、もえちが〈アイドルを辞めたら良いことない〉みたいな話をずっとしてたことですよ。〈やることなくなってホントにつらい〉という。
Kaede「〈引きこもってるし彼氏できないし〉って(笑)」

――もえちが〈運動もしなくなるし人とも喋らなくなるからアイドルは辞めないほうが良い〉とボヤきまくってくれたおかげで、かえぽがNegiccoを続けようと思えたのなら良かったです!
Kaede「〈あんな幸せな職業はない〉と言っていて、確かににそうだなって。こんなに愛してくれる人たちがいっぱいいる状況ってないなと思うし。もえちに〈だから辞めちゃダメ〉と止められて(笑)」
Nao☆「感動するね。泣けてくる……」
――前回の取材が“光のシュプール”(2014年12月2日)リリース直前で、この2年でシングルがオリコン10位以内に入るようになったわけですけど、何か変わりました?
Nao☆「メディアに出られることが増えました」
――「ダウンタウンDX」(2015年10月22日放送)はボクも緊張しながら観ましたよ。
Nao☆「あのときは緊張しました。だけどスタッフさんはもちろん、松ちゃんと浜ちゃんも出演者の皆さんもすごく優しくて。テレビから受ける印象と全然違うなと思った」
――怖くなかった。
Nao☆「全然怖くなかったです」
――以前、「いらこん」(2014年5月17日放送)でバカリズムさんにツッコまれたときは本気で怯えていましたけど、だんだん克服できているんですかね?
Nao☆「『ダウンタウンDX』のスタッフさんは打ち合わせのときから優しくて、〈Negiccoは無理して何かやろうとしなくていいから〉〈ちゃんと映すし、出ないっていうこともないようにします〉〈浜ちゃんと松ちゃんに任せてれば大丈夫だから、がんばらなくていいよ〉と言ってくださって」
――すごいですね、そのアドヴァイス!
Nao☆「それで安心して出られたし、楽しくてあっという間に終わっちゃって。あと、セットの裏に松ちゃんと浜ちゃんが普通にいたり、小藪(一豊)さんがいて喋ったりしたんですけど、小藪さんもすごく優しくて」
Kaede「すごい世界だったよね」
Megu「収録中は隣の方のことをずっとディスるじゃないけど、ツッコんでいたんですけど、カットがかかると〈すみませんでした〉みたいな感じで謝られていて」
Nao☆「小藪さん、『逃走中』に出ていたときはすごく悪い感じだったんですよね。〈俺は助けには行かない〉みたいな。それで〈なんだよ!〉〈なんでこの人こんなにTVに出るんだろう〉と思ってたんですよ」
――それぐらいに思ってたんですか(笑)。〈こんな性格が悪い人なのに!〉って。
Nao☆「でも、裏側で観ると、すごく良い人ですよね。だから、いろんなところに呼んでもらえるんだなと思いました」
Megu「あと、TVに出ても何も喋れないまま終わっちゃうことが多かったんですけど、ダウンタウンさんは結構話しかけてくれて。小藪さんも振ってくれたり、陣内孝則さんが〈ネギネギ〉と言ってくれたり、おいしくイジっていただいて」
Nao☆「指原(莉乃)さんも、松ちゃんがNegiccoのことをおもしろく言ってくれたときに、フォローしてくださって」
Megu「松ちゃんが〈Negiccoっていうネギを持ってるワケのわからないアイドル〉みたいなことを言ったとき、指原さんが〈13年やってるんですよ!〉と言ってくれたんですよ。
――あと、この2年間で大きいのはCM出演(2015年12月1日〜)ですよね。
Megu「サトウ食品さん!」
Nao☆「それまで全然テレビに出られなかったのに、部屋を片付けてるときに自分のCMが普通に流れてきて」
――CM効果は絶対デカイですよね。〈お餅の人〉という認識が世間に広まって。
Kaede「東京でも買い物していて、〈ご飯のCMやってませんか?〉と言われたり、気付かれることが増えました」
武道館はすごく立ちたい場所だからこそ、無理してやるのは違うと思った(Nao☆)
――NHKの「MUSIC JAPAN」(2015年8月30日放送)の出演もありました。
Nao☆「“光のシュプール”で〈MJ〉に呼んでくださった方は、もともと『ポップジャム』にいた方で、Negiccoはずっとがんばってるから呼びたいと常に言ってくださっていたんですけど……」
――なかなか良いタイミングがなかった。
Nao☆「はい。何か結果を残さないと出られなかった。だから“光のシュプール”で出られる理由を作れたということですよね」
Megu「NHKホールでのワンマンも、デビュー当時に『ポップジャム』(2004年9月10日放送)に出たってことだけじゃなくて、〈MJ〉さんがあったからこそ自分たちの思い入れがまた増えて、自分たちにとっても大切な場所になった」
――〈MJ〉では、かつて共演した(渋谷O-WEST/2004年10月29日)こともあるPerfumeとの再会と、その流れでの〈Perfume FES!! 2015~三人祭~〉(2015年9月22日)への出演というドラマもありましたよね。
Nao☆「PerfumeさんをO-WESTで観たときに、マットを敷いて念入りにストレッチしている姿や、ステージに向かう姿勢がすごいなと思いました。そのあと『GAME』ツアーで新潟に来られたとき(新潟LOTS/2008年5月10日)に挨拶させていただき、あ~ちゃんに〈また同じステージに立ちましょうね〉と言われて、そこでがんばらなきゃという気持ちにさせてもらったんですよ。Perfumeさんが広島から出てきて、がんばって大きくなっていった姿を見て、もしかしたら自分たちにも可能性があるかもしれないと思わせてもらえたし。その〈同じステージ〉というのが、どういう未来になるのかなと思っていたんですけど、〈MJ〉さんで共演させてもらったあとに、あ~ちゃんが〈今度、『三人祭』というのを武道館でやるんだけど、そこにNegiccoさんも呼びたいと思ってる〉と言ってくれて」
――Perfumeとの関係はホントに美しいですよね。同じ苦労がわかる仲間という感じで。
Nao☆「Perfumeさんとのライヴで初めて武道館に立てて良かったなと思いました。Perfumeさんは、Negiccoがずっと武道館に立ちたいと言っているのを知ってくれていて、〈この場所を練習台だと思って〉と言ってくださったので、すごく良い景色を見せてもらえた。武道館では、みんなで“Puppy love”を歌うことになったんですけど、リハーサルのときにPerfumeさん自身が進行をしていたんです。スタッフさんが言うんじゃなくて、Perfumeさんの気持ちでみんなを動かしていて、それがホントに自分たちのやりたい形でもあるし、素敵だなと思った。Perfumeさんがああいう空気感を作り出したからこそ、良いライヴになったんだなと思います」
Megu「だからNHKホールでもPerfumeさんのTシャツと靴下でリハーサルしました!」
Nao☆「私もPerfumeさんの靴下でした!」
――かえぽはどうでした?
Kaede「2004年にPerfumeさんと共演してるというのはあるんですけど、そこまでNegiccoのことを知ってくれてると思ってなかったから、『GAME』ツアーのときに一人一人の名前を知ってくれていて、すごくビックリしたんですよ。〈MJ〉で楽屋に行ったときも、〈ぽんちゃはカレー好きなんだよね〉みたいな話が自然に出てきて、ホントにNegiccoのこと思ってくれてるんだなと感じました。〈MJ〉に出られたことで今回のNHKホールにも繋がっているし、いろんなことが繋がってきてるなと思います」
Nao☆「ただ、そのときに〈(目標である自分たちの)武道館のライヴどうする……?〉という話にもなって。すごく大変というか、たくさんの人を集めなければいけないという現実や、自分たちのレヴェルをもっと上げなきゃいけないということを実感して……」
――じゃあ、その流れで7月30日のNHKホールのワンマンの話を訊いちゃいましょうか。アンコール明けに衝撃的なMCがありましたよね。
Nao☆「これを言っていいかわからないんですけど。ホントは映像で発表する予定だったんですよ。というのは、結成13周年のお祝いのライヴとは言っても、去年の野音で〈来年は自分たちの単独公演で武道館に立ちます!〉と宣言して、ファンの皆さんの期待も大きくなっていたり、やっぱりNHKホールの次となれば、その報告だと思ってる人も多かったと思うので。Perfumeさんが武道館に立ったときから自分たちも立ちたいと言ってきて、去年の野音では行けそうな気がしていたんですけど……。でも、やっぱり客席が埋まった状態の武道館が見たいですし」
――武道館公演は無理すればやれないこともないだろうけど、それで良いのかという考えで、〈いまの私たちには厳しいと実感しました〉と言ったわけですよね。
Nao☆「すごく立ちたい場所だからこそ、無理してやるのはちょっと違うなと思いはじめて。その夢が自分たちを追い込んじゃっていて、周りの関係者にもすごく焦ってる人がいたし、Negiccoもそれを感じて焦ってるし、その変な焦りがライヴに出ちゃっていて、良くない方向に行っていると思いました。前にスタッフさんといろいろ話す時間があったときに、〈いままで一歩ずつ進んできたんだから、それがあなたたちらしい部分だし、楽しまなきゃ〉と言ってもらって。VTRで発表しようとしたのは、あのライヴのなかでは、そこがすごく言葉に気を遣うポイントでもあったので、ちゃんと伝えなきゃいけないことを緊張して何も言えなかったり、違うこと言っちゃったりしないようにしたいなと思ったから。でもVTRを撮ったときから、なんかちょっと違うかなと思っていて、スタッフさんから〈やっぱりVTRじゃなくて本人たちの言葉で言ってもらうことにします〉と言われたときに、それが良いなと思った」
――〈大事なお知らせがあります〉と言われたから、あのときは会場に緊張感が走りましたよ。
Nao☆「解散かと思った人もいたみたいで。あの空気を作るのが難しかったですね。作れていたかはわからないんですけど、あんまり深刻になりすぎてもいけないし、あんまり笑顔でもいけないし。〈この1年の活動を通じて……〉と言ったとき、〈おお!〉という声が少しあったので、それを掻き消すのが大変で、そうすると自分の言いたいこともちょっと空回っちゃったり……。いちばん最後に〈これからも応援よろしくお願いします!〉と、元気良く明るく伝えるつもりでいたんですけど、いざ立ってみるとファンのみなさんが〈えー!?〉みたいな感じにならないかな、でもきっと温かい方が多いから、ちゃんと見守ってくれるんじゃないかとか、いろんな想像しながら喋って……」
――〈それでいいよ! 無理しなくていいから、ゆっくりと武道館をめざそう!〉という空気になっていましたね。
Nao☆「はい、温かい感じがして、最後は誠心誠意〈ホントに応援よろしくお願いします!〉という感じになりました」
Megu「武道館を目標にしつつ、それに向かって一歩一歩努力していくっていう目標がまた出来て、ホントにずっとNegiccoとして続けていけるんだなっていうのが道として見えたので、さらにがんばりたいなと思いました」
――3人ではどんな話し合いをしていたんですか?
Megu「今年中に武道館は厳しいということを、ステージから伝えるのか伝えないのかを話し合いました。野音で宣言しちゃった以上は何も言わないのも違うし、言ったほうがNegiccoらしいし、ほかのグループとも違う感じになるなって」
――あれで正解だったと思いますよ。
Megu「武道館に立ちたいと言っていたアイドルも、実際に立ってから次のステップにいくのが難しいというのを聞くんですよね。Negiccoはまた違う道――アイドルだけど違う道に行くというか、新しい形を切り拓いていけたらと思います」
Nao☆「良かったよね。ちゃんと伝えられたことで自分たちも安心したし、NHKホールで言ったことでまた新しいスタートになった」
――武道館を諦めるのは、NHKホールのチケットが売り切れなかったことで決意した感じなんですか? あの公演の集客に苦戦しているらしいと聞いて、コンバットREC※がTBSラジオ「たまむすび」でNegiccoについて語ったり、ボクもTwitterに過去のインタヴューを貼ったりと活動を始めたんですけど。
※ビデオ考古学者。Negicco“光のシュプール”のミュージック・ビデオを監督している
Megu「見ました。ありがとうございました」
Nao☆「NHKホールはもう少しで売り切れだったので惜しかったんですけど、武道館をめざすことを考えたら全然集まってなかったから、そこで焦っちゃって。最初は落ち込んでいたんですけど、冷静になったらそうじゃないなと思いました。少しずつでも着実にお客さんは増えていってることはわかっているので」
――ライヴ会場での、あの物販列を見ればわかりますよ。ボクも江口寿史先生イラストのTシャツを買えなかったぐらいですからね。NHKホールは良いワンマンでしたけど、ああいう場で初期曲をやってみてどうでした?
Nao☆「恥ずかしくなるね」
Kaede「恥ずかしいし、13年経ってるのに“恋するねぎっ娘”の上達しなさがちょっと(笑)。昔のほうが声高かったなと思って、改めて難しい曲だなと思いました」
――最近はライヴでやってないから、スキルアップもしなさそうですしね。
Kaede「初期曲を中心にしたパートが最初にあったことで、(前回のツアー・ファイナルの)中野サンプラザ(2016年4月27日)みたいな緊張感がなかったというか、和めたし、お祭りみたいな感じでできたのはすごく良かったなと思いました。いちばん最後だけ失敗しちゃったんですけどね。捌けるタイミングが掴めなくて(笑)」
Nao☆「“ネギさま! Bravo☆“で久しぶりにサンバ・ホイッスル吹きました」
――あれ、観ていて大変そうだなと思いましたよ。
Nao☆「大変でした。リハでは楽に吹けていた笛も、本番だとすごい動悸が(笑)。私どんな顔してるんだろと思いながら吹いていて」
――うしろの大きなスクリーンに、すごくしんどそうな顔が映ってましたよ(笑)。
Megu「でも、必死な何かは伝わるよ!」
Nao☆「笛吹いてる顔を想像すると恥ずかしいよね」
Megu「確かに」
――NHKホールは、かえぽの歌も良かったですよ。
Kaede「ありがとうございます。完璧ではなかったですけど、リハーサルのときから今回は大丈夫かもという気持ちになれていました。リハ通りにやろうと思ったら失敗しましたけど、そこまでは気にならないというか。中野のときは緊張感がすごかったんですよ。会場からの圧みたいなのが」
――会場からの圧!
Nao☆「NHKホールは〈お帰り〉という感じで、すごく温かったんですよね。NHKホール自体がNegiccoを迎えてくれている感じがあった。中野サンプラザはちょっと迎えてもらってない感じがあったんです」
Megu「だから、ずっと緊張はしてたよね」
Kaede「すごく緊張してた」
Megu「中野サンプラザと同じことはできないという気持ちがあったし、NHKホールは特別な場所だから、みんなで楽しみたいという気持ちが大きかったので、私はそんなに緊張しなかったんですよ。それでテンションが上がりすぎちゃって」
Nao☆「でも私は何回か見てるよ。ぽんちゃが自分の歌わないところでマイクを構えているの。 “江南宵唄”のダンスするところとか」
Kaede「歌ってないところもあったよね」
Megu「あった(笑)。気持ち的には緊張してなかったんだけど」
Nao☆「そうなんだ。すごく緊張してるのかな、大丈夫かなと思った」
Kaede「確かに、表情を見てて大丈夫かなって」
――いちばん高まってるようには見えましたね。
Megu「高まりすぎて、最後ジャパネットの高田社長みたいな声になっちゃって(笑)」
Nao☆「私、あれ笑っちゃった(笑)」
――かえぽも楽しそうに見えましたね。
Kaede「楽しかったです。ホントにホーム感が強くてめっちゃ楽しかった」
Megu「映像でのconnieさんのナレーションも良かったよね」
――ボクの隣で コンバットREC一家が観ていて、娘さんが〈Negiccoちゃんのオッパイ吸いたい!〉と叫んでたんです(笑)。ビックリしていたら、まだ断乳してなくて、お母さんみたいに親しみやすいってことだったみたいですね。
Megu「おもしろーい! 娘さん、“トリプル!WONDERLAND”で燃え尽きたと言っていて、可愛かったな」
――そういえば、4年前のインタヴューを読み返したら〈野音が夢だ〉と言ってたんですよね。
Kaede「言ってました。高校生ぐらいのときに野音行ったことがあって、そのときに、ここに絶対立ちたいと思った。でも、まさかね」
Nao☆「昔、ライヴを観に野音に行こうとしてチケットを取ってたんですけど、熱を出して行けなくなっちゃって。その後に、(東京)女子流ちゃんの野音ライヴのDVDを観て、マジで野音に立ちたい、しかもバンド編成で立ちたいと思っていたんで、すごく嬉しかったです。いつか、もう1回野音でやりたいなと思っています」
Kaede「単独でやりたいね」
Megu「やりたい」
Nao☆「でも、会場がなかなか取れないんだよね。それも奇跡だった」
新潟の人から〈地元が誇れるグループ〉と言われることが多くなった(Nao☆)
――個人的には、ボクが司会をやった光が丘のイヴェント〈Hikarigaoka Girl’s Pop Wake〉(光が丘IMAホール/2016年1月23日)での、メンバーだけで移動しなきゃいけなくなっちゃった事件も印象深くて。辿り着けるかどうかわからないハラハラ感が最高でしたよ!
Megu「ありがとうございます。交通費を茶封筒で渡されたヤツですね」
Kaede「3人で移動したからね」
Megu「乗り換えがわからなくてすごく焦りました」
Kaede「大宮? 東京? なんか難しかったんだよね。3回ぐらい乗り換えしなきゃいけないと言われて、〈もう無理〉と思って」
Nao☆「大江戸線って乗ったことないしわかんないし。帰りもファンの人と電車で遭遇して、目の前に座って〈どうしよう? どうしよう?〉と」
――役割としては、どういう感じだったんですか?
Kaede「ぽんちゃがiPhoneで調べてくれて〈こっちだよ〉と言われて、〈いや、たぶん逆だと思う〉と私が誘導したんだよね」
Megu「ああ、そうだ」
Nao☆「私は2人に付いて行くだけだったので。最近やっと電車を調べて〈こっち!〉と言えるようになってきたんですけど、光が丘とか難しい場所は2人に任せて」
――あのとき、Nao☆さんがSuicaを使ったことがなかったと言っていたのが衝撃的で。〈新潟はSuica使わなくていいんですよ〉と言うので、〈そうなんですか!?〉って2人に訊いたら……。
Megu「ガンガン使ってますよ(笑)」
――初めてSuicaを使ってみてどうでした?
Nao☆「こんな便利なものがあったのかって」
――ぽんちゃについてきてもらって、使い方を教えてもらったんですよね。
Nao☆「チャージの仕方を教えてもらったり、コンビニでの使い方を習ったり」
Megu「飲み物を買ったとき、〈うわっ!〉と言っていて」
Nao☆「東京メトロ乗るときに、JRの切符を買って乗ろうとして止められた理由がわからなくて。アプリの電車案内とかもSuica案内という感じじゃん」
――Suica案内?
Megu「私もわかりません(笑)」
Nao☆「次この電車に乗るにはこれくらいかかる、みたいな。あの乗り継ぎは切符を買うと間に合わないでしょ」
Kaede「ああ! 最近マネージャーが各自にSuicaを支給してくれたんですよ。これまで熊さんが切符を買ってみんなに支給して領収書を切って、とずっとやってたんですけど、〈みんなにSuicaを持たせたほうがラクですよ〉と言われたらしく。やっとスムーズに移動ができるようになりました」
Nao☆「(電車が)1本違うだけで全然違うから。Suica最高です。ホントに大好き!」

――あのとき司会をやっていたバニラビーンズが、努力の果てにつかんだ技術で笑いを取っていたときに、努力じゃないSuica初体験話でNao☆さんが爆笑を取っているのを見て、自然体がいちばん強いと痛感させられたんですよ。
Nao☆「Suicaにもっと早く気が付いていれば良かったです。最高! 感動するよね」
――感動はしないです! あのとき共演したChelipが地方アイドルの先輩としてNegiccoをすごく尊敬していて、ハグされただけで泣き出すような展開もありましたけど、そうやって目標とされる立場になったことはどう思います?
Kaede「どうなんだろ?」
Nao☆「そう感じないこともすごい多いから(笑)」
Kaede「この前も〈アイドル横丁〉に出させていただいたとき、隣が生ハムと焼うどんさんだったんですよ。ほかのアイドルが入れ替わり立ち代わり〈写真を撮ってください〉と来ていて、〈売れてる!〉〈カッコイイな〉と思ってました。Negiccoにはそんなに来なかったよね(笑)」
Nao☆「そうだね、そういうところにも出るよね。あそこにでんぱ(組.inc)さんがいたらすごいことになってただろうな。〈TOKYO IDOL FESTIVAL〉では女子流ちゃんがそういう感じだったんですよ。女子流ちゃんが来ると、みんなが〈女子流ちゃんだ!〉と言っている感じが格好良くて。ああいうの、憧れるよね」
Kaede「うん、Negiccoにはそういうのない気がする」
Nao☆「全然ないよね(笑)」
――〈TIF〉で一緒に写真を撮ったのは嶺脇(育夫)社長※とボクだけと言っていた年もありましたからね。あり得ないアイドルですよ(笑)。
※タワーレコード代表取締役社長
Kaede「あのとき誰とも撮ってなくて(笑)」
――じゃあ、なかなかそういう実感は得られにくい感じなんですか。
Nao☆「そうですね、新潟の人ぐらいかな。新潟の人がTwitterなどに〈地元が誇れるグループ〉と書いてくれることは多くなりました」
