2023年7月20日に結成20周年を迎え、『午前0時のシンパシー』(2020年)以来3年ぶりの新作であるミニアルバム『Perfect Sense』を配信リリースしたNegicco。8月13日(日)にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で記念公演の開催を控える3人に、プロインタビュアーの吉田豪が5年ぶりの個別ロングインタビューをおこなった。初回はKaede編をお届け。 *Mikiki編集部
ひとりで歌うことが楽しい
――本当にお久しぶりです!
「お久しぶりです。5年も空いてると思わなかったですね」
――そうなんですよ。このインタビュー企画自体が2012年に始まって、それから2014年、2016年ときて、2018年に『MY COLOR』が出るタイミングで取材したのが最後で。イベントもアイドル対バン的なものにそんなに出なくなって、コロナもあって、まったく会う機会がなくなったという。ソロのライブは1回行きましたけど挨拶もしないで帰ったりで、実は3人が結婚してから会うのは初めてなんですよね。
「そうだったんですか!」
――なので会わなかった期間を掘り下げていきたいんですが、ちょうど活動の方向が変わっていくタイミングだったと思うんですよ。オリコンのベスト10入りを狙うような世界からは脱却したというか。
「そうでしたね」
――ネギの活動が落ち着いてきて、それぞれがソロをやり、プライベートも変化があり。この期間、Kaedeさんは一番マイペースだった印象です。
「ホントですか? どうしてだろう?」
――ソロが一番順調だったからですかね。
「そうですね。2019年ぐらいからソロを始めますって形になったのかな? で、すぐコロナ禍に入って、おやおやっていう感じで。ソロのツアーを組んでいただいて、ちょっとやり始めたぐらいから状況が変わってきて、どうしましょうって事務所と話をしつつ」
――まずソロ活動に力を入れたのは何がきっかけだったんですか?
「〈今後、Negiccoの活動もそうだけど、個々でやりたいことある?〉って言われたときに、私はソロで生誕祭とかやらせてもらってて、ひとりで歌うことが楽しいっていう気持ちがあるので、そういうのもこれから積極的にやっていきたいですっていう話をして、〈じゃあ来年からソロやる?〉っていう話になったんですけど」
――そもそもネギの活動がいままでと流れが変わってきたわけですけど、そのことについての話し合いはあったんですか?
「毎年、秋ぐらいになんとなく来年の方向性を話すミーティングがあって。で、〈来年どうしたい?〉っていう感じがありました」
――5年前のインタビューで印象的だったのが、ずっと悩んでいたKaedeさんがちょうど突き抜けた時期だったんですよ。
「そうですね、覚えてます」
――〈いまは活動がすごい楽しい!〉ってモードになってて、逆にぽんちゃ(Megu)が闇に落ちていたという。
「あ、そうか。その印象はあります。〈ふたりの話、聞いてあげてください〉みたいな感じだった気がする(笑)」
――そうそう(笑)。そして、Nao☆ちゃんがリーダーらしく、ちゃんとしてきた時期でもあって。
「そうですよね」
――だから、なんとなくソロでやるようになっていく流れはわかるんですよ、かえぽ(Kaede)はいろいろ楽しくなってきて、やりたいことが見えてきて、Nao☆さんは結婚して、ぽんちゃは体調不良で、Negiccoの活動のモードを変えようみたいな話し合いがあったのかなって。
「5年前……そうですよね」
――そしてKaedeさんには過去のことを次々と忘れていくという欠点があって(笑)。
「どんどん忘れますね(笑)。5年前か……Nao☆ちゃんの(突発性)難聴の話と(子宮)内膜症の話もその時期ぐらいにしてて。なのでそれぞれやれることをやっていく、みたいなことになったのがそのときなのかな?」
――頑張って思い出してください!
「フフフフ」
――やっぱり2年ごとにやらないと忘れますね。
「ですね(笑)。いままでと同じことを続けててもダメだから個々でやろうっていう話だったんじゃないかなと思います」