2023年に結成から20周年を迎えた Negicco。3人が、前作『MY COLOR』(2018年)以来実に6年ぶりのフルアルバムにして5作目となる『What A Wonderful World』をついにリリースした。作詞・作曲・編曲には、connieらおなじみの作家から、ノンブラリ・阿佐ヶ谷ロマンティクス・辻林美穂といった初顔合わせのアーティストまでが参加。出産などそれぞれが過ごしたパーソナルな時間も反映し、〈今のNegicco〉を詰め込んだ本作は、今後の活動への期待も膨らむ内容になっている。そんなアルバムについて、リーダーのNao☆へ音楽ライターの南波一海が話を聞いた。 *Mikiki編集部
再び3人で大きな舞台に立つために
――2023年に配信でリリースされた結成20周年記念作『Perfect Sense』が今年の7月にフィジカルリリースされたばかりだったので、まさかその1ヶ月後にフルアルバムが出るとは思っておらず、驚きました。育児などでメンバー3人で集まるのが以前よりも難しい状況で、制作をどう進めていったのでしょうか。
「20周年の大きいライブも無事に終わり、Negiccoの活動再開も期待されていたと思うんですが、今年の始めのほうにNegiccoのミーティングがあって、ぽんちゃ(Megu)に赤ちゃんができて、でもNegiccoとしては曲だけでも出したいよね、みたいな感じで。ぽんちゃがお休みに入るということで(※6月に第2子を出産)、ファンのみなさんに待っていてもらうアルバムを、ということで進めていきました」
――活動再開も視野に入っていたと。ただ、こればかりは授かりものだからプランの立てようがないですもんね。
「私とかえぽ(Kaede)も話を聞いた時は嬉しかったし、驚きました(笑)。ぽんちゃ自身もきっと、Negiccoが動き出せないことが心配だったと思うんですよね。
だから、このアルバムの曲たちをファンのみなさんの前で披露するのはちょっとあとになっちゃうかもしれないけど、それまでは曲を聴いて待っててくださいという感じなんです」
――ファンという言葉が繰り返し出てきますが、昨年、20周年公演を新潟県民会館とLINE CUBE SHIBUYAで開催したことで、Negiccoとしてライブすることの楽しさや、みなさんに会う喜びなどを再確認できたところもあるのかなと思います。
「ですね。ここ何年かはソロで活動することも増えていて、もちろんそれも楽しいんですけど、3人でああやってステージに立った時に、やっぱりお客さんはNegiccoを待っていてくれたんだなと思ったし、ステージからの光景を見て、自分もずっとこれを待っていたんだと思いました。どんなステージでも楽しいし、やれるのは嬉しいけど、あの大きな景色は自分たちがデビューする前からずっと憧れていたものなので。
芸能人のかたのライブ映像を見ると、オフショットでたくさんのスタッフさんが動いていたり、ステージを作るかたたちがいたり、メイクしたり、衣装着たり、リハーサルをやったりするじゃないですか。それを夢見ていたので、みなさんの応援があって自分たちがああいうステージに立てて、ずっと応援してくれている親にそれを見せて喜ばせることもできました。それは本当にすごいことだなと思います」
――次のその日のために、こうしてアルバムを作って出すということなんですね。
「はい。先日、試聴会があったんですけど、私たち自身、結婚・出産を経たNegiccoの音楽性はどうなっていくんだろうと気になってたし、それ以上にファンの人たちはまだ応援してくれるのかなと思っていたんです。
でも、ちょっと期間を空けてまた戻ってきてくれるかたとか、3ヶ月前にファンになったかたとかがその試聴会にいらっしゃって。そういう状態で、自画自賛になってしまうんですけど、Negiccoをやっていてよかったなという素敵な曲がたくさん集まったので、アルバムを聴いていただけてよかったです」