
2023年7月20日に結成20周年を迎え、『午前0時のシンパシー』(2020年)以来3年ぶりの新作であるミニアルバム『Perfect Sense』を配信リリースしたNegicco。8月13日に開催されたLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)での記念公演を控えていた3人に、プロインタビュアーの吉田豪が5年ぶりの個別ロングインタビューをおこなった。初回のKaede編、第2回のMegu編に続いて、最終回のNao☆編をお届け。 *Mikiki編集部

私がした決断でNegiccoを続けられなくなったらどうしよう
――5年振りのインタビューです。
Nao☆「そんなに経つんですね、ビックリです!」
――2012年から2年置きにやってきて、2018年以来ですよ。
Nao☆「はぁ……ご無沙汰してます」
――最後の共演が結婚発表のとき※でした。
Nao☆「すみません、あのときはお世話になりました! 豪さんと(嶺脇育夫)社長がいれば大丈夫だっていうことで(笑)」
――結婚もあったりで、Negiccoとしての活動を控えめにしつつ、ソロでそれぞれやっていこうみたいな5年間だったと思うんですけど。これは、どういう流れで決まったんですか?
Nao☆「まず〈リーダーから〉ってふたりが後押ししてくれて私が結婚して。ハッキリは言われてないんですけど、ふたりが私を待ってくれてるというか、〈まずNao☆ちゃんからでしょ〉っていう感じを出してくれて……出してはいないんですけど」
――そういう話はなんとなくメンバー間でしてたんですか?
Nao☆「Negiccoの活動もやってたので、いいタイミングというか。そんなにうまくいくものでもないので、どうなるかなっていうところはあったんですけど。
私の子宮内膜症もあって、2年も治ってなくてけっこうたいへんな時期もあって。子供もできるかな、なんて話してたんですけど」
――そのレベルだったんですか……。
Nao☆「そこでふたりが待ってくれてて。Negiccoの活動も抑えてくれててホント申し訳ないというか。ファンのみなさんにもそうだし、かえぽ(Kaede)とぽんちゃ(Megu)にも、お客さんの前に出られてないっていうのは、こういうウイルス禍ではあったんですけど、待たせちゃってるなって。しかも20周年を前に、どうなるだろうってみんなで話してたんですけど、なんとか……」
――先陣を切って結婚の道を踏み出して。これも、けっこうな勇気が必要だったと思うんですよ。
Nao☆「人生でこんなに寝られない日はもうないんじゃないかっていうぐらい、発表する1週間前から発表した1週間寝られなかったです」
――なぜなら〈結婚しますがアイドルを続けます〉っていうのは前例がほぼないことだから。
Nao☆「はい、そうなんです。だから怖かったです。〈結婚しても応援したい〉って言ってくれたり、〈ずっと続けてほしい〉って言ってくれてるけど、はたしてどこまで受け入れてもらえるのか。それを発表したことでネットの怖さっていうか、総叩きに遭ったらどうしようとか、いろいろ(苦笑)」
――もともとネット恐怖症な人ですからね。
Nao☆「そうです(笑)。めちゃくちゃ怖かったし、ホント具合悪くなるくらい寝られなかったです。ふたりも〈Nao☆ちゃんから〉って発表させてくれたけど、私がした決断でNegiccoを続けられなくなったらどうしようっていうのもあったので、怖かったです」

〈推しの幸せは自分の幸せ〉って言ってくれることがどれだけありがたいか
――それこそ嶺脇社長が「3人が子供を背負ってラインダンスするのを観たい」って言ってたように、周りの大人はそういうモードではあったわけじゃないですか。
Nao☆「いや、怖いだけですよ。でも、周りの方にそういう声をいただいてたのと、ここまでずっと続けてきたということで。やっぱり〈アイドル始めました、結婚します〉っていうのは許されないと思ってるので、長年続けてきて」
――だからこその説得力ですよ。
Nao☆「それがないとここまで踏み切れないなっていう。ホントは30歳ぐらいで結婚したいなっていう気持ちはあったんですけど、ちょうどNegiccoが大事な時期だったっていうのもあって31歳でしました」
――嶺脇社長としても、これは前例のないことだからどうするかって考えて、東京と新潟で結婚報告しつつミニライブするという謎イベントにボクが呼ばれたわけですよね。
Nao☆「ハハハハハハ! すみません、利用しやがって、みたいな感じですよね。社長と豪さんがいてくださったら楽しくみなさんに伝えられるかな、と」
――いつもどおりの平和なイベントで、いつものNao☆ちゃんを出せて良かったです。
Nao☆「ヘヘヘヘ、めっちゃ怖かった。
終わってからみなさんをお見送りしたんですけど、みんな傷つきながらも〈おめでとう〉って言ってくれるのをすごく感じて、それさえも大事なことだなと思って。自分だったら、推しが結婚するなんて言ったら3年くらい引きずりそうだなと思って」
――ダハハハハ! そうだったんですね(笑)。
Nao☆「それなのに、こうしてすぐ報告会みたいなヤツに来てくれて、お見送りで〈おめでとう〉って言う勇気がすごいなと思って。〈推しの幸せは自分の幸せ〉って言ってくれることがどれだけありがたいかっていうのが身に沁みました」
――見送り会のときに「僕はあきらめてないですから」って言った人がいたって話を小耳に挟んだんですよ。
Nao☆「そうでしたっけ?」
――ボクは当時聞いて、すごいガッツだなと思いました。この状態でもあきらめないヤツ、ある意味すごいなっていう。
Nao☆「何年後かに何かあったら(笑)。あと、Perfumeさんが自分の背中を押してくれたところもあって。Negiccoの人生にも自分の人生にもPerfumeさんが大きく関わってるというか、それはすごく感じました。26歳とかにはもう辞めてるだろうなと思ってたので」
――Nao☆ちゃんに限らず誰かの心が折れてる可能性もあったし。
Nao☆「それはホントに。誰かから〈ちょっと……〉って言われる日が来るかもしれないとか、それこそかえぽが進学校に行ってたので」
――何度か危うい時期もありましたからね。
Nao☆「そうですね、〈かえぽからなんか聞いてる?〉とか言ってたんで。ぽんちゃは専門学校卒業後もちゃんとNegiccoを選んでくれて、でも、その後かえぽはインタビューでNegiccoを辞めたいという話が自然と出なかったというか。なんとなくNegiccoこのままどこまでもっていう気持ちが3人揃ってたのかなって」
――一時は転職サイトを見たりしてたけど。
Nao☆「その発言でやっぱり……まあみんな幸せになってほしいから決断は受け入れるべきだと思うんですけど、3人組なんでひとり辞めると言われたら」
――とんでもないダメージですからね。
Nao☆「もう終わるしかない(笑)」
――終わらなくてもいいですよ!
Nao☆「誰ひとり欠けちゃいけないと思ってるので」

ふたりが車を降りるとき、これからママに戻るんだなって
――このインタビューを2012年からやってるわけじゃないですか。最初のときお兄さんの話になって、「私が結婚するにしても兄のことをわかってくれる相手を見つけたい」って言ってたのがすごい印象的で。
Nao☆「兄にも優しいです。兄も大好きなんで、よかったなって」
――そのへんがクリアできる相手であればなんの問題もないです。
Nao☆「はい! めっちゃ優しいし兄も大好きです」
――自分が先陣を切って、ぽんちゃ、かえぽと結婚していったわけですけど、エゴサとかはしてたんですか?
Nao☆「いや、まったくしないようにして。自分のとこに来たコメントだけ見るようにして、エゴサはやめようと思って。最初ってホント怖くて」
――わざわざリプライを飛ばしてくる人に、そこまでヤバい人はそういないはずだ、と。
Nao☆「そう信じて(笑)。でも、周りに聞いたら〈誰も嫌なこと書いてる人いないよ〉って言われて。1週間はエゴサできなかったんですけど、一瞬だけ見てみたら安心して。これを見てふたりも安心して発表できたらいいなと思いました」
――Negiccoのことをよく知らずに批判している人はいたかもしれないけど、とりあえずファンが悪く言ってるのは目にしなかったので。
Nao☆「よかったです」
――その結果、この前例のないアイドルグループが誕生したわけですよ。
Nao☆「しおりん(玉井詩織)も〈後にも先にもNegiccoさんだけだから〉って言ってくれてるみたいでうれしいです」
――さっきの撮影を見てても3人が主婦には見えなかったんですよ。
Nao☆「ホントですか? いまお腹が出すぎてて(笑)。実はいまもずっとへこましてるんですよ」
――でもNegiccoのままでしたね、空気感が。何年経とうと状況が変わろうと、ちゃんとNegiccoでした。
Nao☆「自分たちではわからなくて。でも、私もふたりを見てて、毎日一緒にいて〈バイバーイ〉って車から降りるとき、これからママに戻るんだなと思ったら不思議な気持ちというか、ママに見えないなって。子供の話とかいまの状況を頻繁にLINEするんですけど、そういうときにみんなママだなっていうのを実感するんですけど、Negiccoから戻っていくときに、これから子育てするんだなって、自分もママっていうことを忘れてふたりを見る瞬間はありますね」
――2016年かな、「ゆっきーがいると話せない」って雪田(容史)さんを出して話したエピソードとか思うと感慨深いですよ。
Nao☆「追い出されたの覚えてます?」
雪田容史「わかんない」
Nao☆「何を言ったんだろう?」
――覚えてないですか?
Nao☆「覚えてないです」
――無茶苦茶おもしろい話をしてたんですよ。
雪田「いま言っても大丈夫?」
――絶対書かないですけど。言っていいですか?
Nao☆「大丈夫です」
――「●●●●●●●●●●●●ってホントですか?」って。
Nao☆「やーめーてーーー!!」
雪田「ハハハハハハ!」
――いろいろ不安だったみたいで、その人がお母さんになってるんですよ。こんな感慨深いことないじゃないですか(笑)。
Nao☆「ギャーッ怖い! 若いって怖い!」
――そんなに若くもなかった!
Nao☆「それだけ純粋だったんです」
――そういうことです。
Nao☆「でも、そんな話したの豪さんだけですよ。恥ずかしい!」
――もちろん書かないですけど、でも何度かそういう衝撃は受けてます。Tパレ(T-Palette Records)感謝祭のときも……【以下略】。
Nao☆「ハハハハハハ! 豪さんをなんだと思ってるんだろう(笑)。ホントすみません! 恥ずかしい! 穴があったら入りたいぐらいです」
――そういう子が人の親になったんですよ。
Nao☆「恥ずかしい(笑)。自分が親だったら〈やめなさい!〉って言っちゃいますね」

いまが一番幸せ
――過去のインタビューを読み直して、あれが表に出てなかったんだっていう話を思い出したんですよ。すでにふたりとは話してるんですけど、Nao☆ちゃんが思い悩んでボクに連絡してきたことがあったじゃないですか、「もう熊さん(熊倉維仁)限界です」って。
Nao☆「ハハハハハハ! それは覚えてます」
――「他の事務所に行こうと思います」みたいな。
Nao☆「ハハハハハハ! そういう時期もありましたね」
――あれは何があったんですか?
Nao☆「なんだったんだろう? 嶺脇社長にも〈助けてください〉って連絡したんですよ」
――正確にはボクのところにまず連絡がきて、ボクがすぐ嶺脇社長に「社長が動かないとマズいです!」って連絡したって流れだったと思います。で、社長が動いてくれた。
Nao☆「熊さんやっぱり……」
――いい人ではあるけども。
Nao☆「たいへんすぎて、スケジュールの感じとか。もともと芸能スクールに入ってたから、ここにいて大丈夫なのかなって」
――もっと上に行きたいって思いがあったからこそ。
Nao☆「そうなんです。これ以上あがれるのかっていう不安とか、大丈夫なのかなってふたりに相談したのかな。でも結局、社長とかに止められた気がするんですよ」
――ボクも、「ちょっとそれは考えたほうが……」って言いました。
Nao☆「やっぱり豪さんは熊さんのところにいたほうがいいと思いました?」
――そう思ったんで、とにかく嶺脇社長に報告して、たぶん社長が全力で止めて。
Nao☆「はい(笑)。何回か熊さんのとこ離れたほうがいいかもって思ったことがあって。だけど結果、いてよかったなっていうのがいまの着地点です」
――結果的にはこれでよかったはずなんですよ。
Nao☆「はい。別のところを選んでたらこういう未来にはなってなかったと思うので。
connieさんにも人生相談してたんですけど、豪さんにもすごい相談してたから、とにかくネガティブだったみたい(笑)。助けていただいたなと思ってます」
――実はいまスマホで過去のやり取りを見直してます。
Nao☆「ああ、豪さんとの。どんなのしてましたっけ? 〈私、大丈夫ですかね?〉みたいな感じだったと思います」
――「チケットがあまりにも売れなくて」とか「素敵な人とつき合って結婚したいです!」とか(笑)。
Nao☆「恥ずかしい! すごい豪さんにグチりまくってますね、ヤバッ」
――「Negiccoも彼氏いますとか将来的に出たら叩かれるんですかね?」とか(笑)。
Nao☆「ハハハハハハ! 私がネガティブなツイートすると豪さんが連絡くださったりもしてましたね」
――心配してたんですよね。テレビ出ただけで、「気持ち悪くなかったですか私?」っていう状態だったので。
Nao☆「ちょっとネガティブすぎて(笑)」
――そう思うとこの5年間っていろいろ落ち着いたっぽく見えるじゃないですか。活動のペースが緩やかになったのもあるけども。少なくともいま、かえぽもぽんちゃもこの5年間は平和でいまが一番楽しいという答えが出るような状態だったので。
Nao☆「そうですね、いまが一番幸せだなと思います」
――この20年間でいまが!
Nao☆「そうですね。正直、年々つらくなったりたいへんになったりするのかなと思ったんですけど、結果いまが一番幸せだなと思ってるので。先はわからないですけど、そう言えてる20周年でよかったなっていう着地点です」

何かあったらぽんちゃ、私のこと養ってくれる?
――オリコンで結果を出していた時期も手応えはもちろんあっただろうけど、それと同時に戦わなきゃいけないしんどさや肉体的なしんどさもあったはずで。それが、いまはマイペースかつ平和に活動できる状況になったわけですよね。
Nao☆「そうですね。リリイベを1日何個かとか、オリコン入りを目指してたときはすごいありがたかったんですけど、ホントたいへんで。これがどこまで続くのかなとか、リリースできるうれしさはもちろんありつつ」
――不遇な時代が長いから、ようやく忙しくなって結果も出て手応えは感じていたけれども、同じように戦ってる人たちよりひと世代上だったから、たぶん疲れも違っただろうし。
Nao☆「そうなんですよ。体力の衰えも感じなくはないですし。いまあれはできないなっていうか、戻れないなっていうのもありますし。
でも、あのとき楽しかったこともあるし。ゆっきーも〈“光のシュプール”でオリコン5位獲らなかったらいまのNegiccoはなかったと思う〉って言ってて」
――そう思います。あのとき頑張った意味は絶対にあって。
Nao☆「はい。『MUSIC JAPAN』(NHK総合)にまた戻れたり、あそこから動き出したこととか、そのあと女性ファンもどんどん増えてきて、こないだの新潟県民会館※は女性ファンがとにかく多くて。家族連れもそうなんですけど、やっぱりウイルス禍前とは違うというか、すごいなって感じました。
終わってからconnieさんに電話したら、〈Negiccoがママになったことで違う共感とか、自分も頑張らなきゃって勇気づけられた人もいてそういう客層になってきてるのかもね〉って言ってくれました」
――わからないもんですね。
Nao☆「ホントに! 結婚したことで〈何やってんだよ!〉って女性ファンも減ったりするかもしれないなと思ってたので、逆にビックリというか。
お子さんを連れたきれいなママがキラキラした目で応援してくれてるのを見て、なんかうれしかったです。〈お久しぶりです・お元気ですか〉のタオルを持ってくれてて」
――ホントよかったですよ。
Nao☆「ただ、ちょっとネガティブが発動したのが、黄色いタオルを持ってくれてたんですね。どっかでNegiccoを知ってくれて好きになってくれて観に来たけど、〈あ、実際のNao☆ちゃんってこんなんなの?〉って嫌いになられないかなと思って(笑)。そういうネガティブはちょっと発動したものの、やっぱりうれしくて。ずっとキラキラしてたいなと思います」
――〈実際のNao☆ちゃんってこんなんなの?〉とは?
Nao☆「あんまりかわいくないなとか、MCこんな感じなんだとか」
――MCはもうみんなわかってきてますよね。
Nao☆「MCでも豪さんにたくさん迷惑をおかけしたので」
――いやぜんぜん。常におもしろいです。
Nao☆「黒歴史というか、めっちゃ苦しいMCの時期もあったと思うんですけど、いまはホントMCも楽しいですね」
――以前、インタビューで「私がホームレスになったらぽんちゃ引き取ってくれる?」とか言ってたじゃないですか。
Nao☆「ハハハハハハ! それぽんちゃにずーっと言ってたんですよ。いまだに言ってなくもないんですけど」
――え、結婚しても!?
Nao☆「こういう時代なのでホームレスっていうワードを遣うのはあれかもしれないですけど、〈何かあったらぽんちゃ、私のこと養ってくれる?〉って言って(笑)」
――まだ言ってるんだ(笑)。
Nao☆「旦那さんがちゃんとしてるんでもう心配ないんですけど、何かあったときにはやっぱり助けてくれるかなって感じで」
――全然変わってないじゃないですか。
Nao☆「そうですね、そこらへんは。ぽんちゃ、こないだも〈Nao☆ちゃんずっと私にそれ言ってくる〉って言ってました」
――ネガティブスイッチはまだたまに入る。
Nao☆「たまに入るのでセーブをかけつつ。〈ある程度の弱音を吐いてくれたほうが人間性がわかって、ああNao☆ちゃんも落ち込むんだなとか逆に勇気づけられる〉とかファンの人も言ってくれるので、何かあったときにはたまに言っちゃったりするんですけど。あきらかに出すもんじゃないでしょっていうものに関しては1回セーブするようになったり。ファンの人みんなが〈Nao☆ちゃんホント気にしないほうがいいよ〉ってすごい言ってくれるんで、そうだよねって」
――弱音も怒りも楽しいも全部出ちゃうのが好きなんですよ。
Nao☆「そうですか?」
――税金とか年金とかに怒りをぶつけたこともあったし。
Nao☆「いやホントに! いまだに税金どうにかなってくれよっていうのは」
――「政治家が!」みたいなのって、アイドルインタビューじゃなかなか出てこないですからね。
Nao☆「どこまで上がるんだガソリン代! みたいな感じで」
――そういうのが全部いいわけですよ。
Nao☆「大丈夫ですか? 日々出てきますよ。
あと、まめぐ(中島愛)さんがNegicco好きって言ってくださって、今回もチケットを自分で買って来てくださるって聞いて」
――あの人もすごい律儀な人ですからね。
Nao☆「ホントに! だから変なこと言いすぎちゃいけないなと思って」
――いや、ぜんぜん気にしなくていいですよ。なぜならまめぐさんも変な人なので。
Nao☆「ハハハハハハ!」
――あの人も相当どうかしてるんで。けっこうなレベルの本物でしたよ。
Nao☆「え、そうなんですか……」
――「私、アイドルの方が年を重ねていくのが大好きなんですよ! ……【以下略】」みたいなこと言ってたりで(笑)。
Nao☆「ハハハハハハ! まめぐさんと話してて、純粋さというか、そういうのをすごく感じました。変な意味じゃなくて、ここまで素直な女性はいないんじゃないかっていうか」
――気持ちのいい人ですよね。
Nao☆「ファンの方もすっごくいい人たちで。まめぐさんのファンの方もいまだに応援してくださったり。そういう関係性も喜んでくださってるので、この関係をずっと続けたいなっていう気持ちでいます。
ありがたいですね、チケット買って来てくださるってもう。朱鷺メッセ※もそうだったんですけど、〈女性エリアにいました〉とかあとで聞いて、〈えー!?〉みたいな(笑)」
――「Negiccoの会場で豪さんを見ました。声なんてかけられるわけないじゃないですか」ってまめぐさんに言われ。「かけてくださいよ!」っていう。不思議な人なんですよね。
Nao☆「いまどきいない純粋さだなと思います」

Negiccoを頑張ってきたからかな、神様が味方してくれたのかな
――ただ、Nao☆ちゃんとしてはこの5年間、体調的にはたいへんだったところはあったわけですよね。
Nao☆「子宮内膜症とか、耳も治ってなくて。耳鳴りも365日ずっとしてる状態で」
――え!
Nao☆「最初はパニックになっちゃってたいへんで、毎日耳が聞こえなくて歌も思うように歌えなくて。
知ってる人から〈慣れるよ〉って言われて、慣れるのかなと思ったけど、いまやっとつかめてきて。日によってはめまいもあるんですけど、つかめるようになったんで。それがつかめないときはNegiccoやっててもしんどくて」
――耳鳴りがしてる状態でもなんとかつかめるってことですか?
Nao☆「いまも耳鳴りずっとしてるんですけど。ぜんぜんいいことではないんですけど、慣れるっていうのがやっとわかったというか。こういうことなんだっていうのが」
――さっきぽんちゃも言ってたのは、歌のコンディションがあまり良くないときにNegiccoの活動がセーブされて、コロナ禍になり、自分の体調に向き合う上ではプラスの部分もあったっていうことだったんですけど、とりあえず治療に向き合えたところはあったんですかね。
Nao☆「私、突発性難聴はたまにあって。2020年のあるときに耳鳴りが止まらなくなって、そこからずっと悩んでて、歌ってていいのかなとか。音が取れないから思うように歌えなくて。実際いまもレコーディングしてても、キーが下がりがちで歌っちゃったり、聞こえてないところもあるというか。それと向き合いながら、うまくつき合いながら活動していきたいなっていう感じで。
ひどいときのライブは一番つらかったですね、聞こえない、音が取れないって感じで。でも、そんなことファンの人に言えないし」
――言ったほうがいいとは思いますけど、それはメンタル的にもやられそうですよね。
Nao☆「パニック状態だったので、毎日寝るときもずっと耳鳴りしてて。耳鳴りが聞こえなくなるような海の音とか聞きながら寝たり、いろいろ試してみて。そのうち状況よくなってくるかなと思ってたんですけど、やっぱり治らなくて。いまも病状は変わらないけど、それとうまく向き合いながら。
逆に子宮内膜症は正直いまひどくなってて(笑)」
――えーっ!?
Nao☆「産後のほうが悪化しちゃって。それとうまくつき合っていかなきゃいけないなっていうのはこれからの課題というか……」
――それを抱えながらアイドルをやっていく。
Nao☆「そうですね。救急車を呼ばなきゃいけないかなっていうぐらいひどくて。ライブと被っちゃったら間違いなく欠席レベルの動けなさで。泣きながらライブに出たこともあったんですけど」
――うわー。座ってライブとかならギリ成立します?
Nao☆「いや、無理なレベルですね。薬が効かないんで。というのが産後は続いてて。
最近は仕事と被ってなくてよかったなっていう。被っちゃったら間違いなく欠席ですね」
――かなりギリギリの状況じゃないですか! そのレベルの体調不良を抱えながらこの平和な空気を出せているのはホントすごいですよ。
Nao☆「みんな優しいというか。ホント体調悪いときはちゃんと申告するようにしてて。言わないで変な空気を出すよりはふたりにちゃんと伝えたほうが、ちゃんと〈わかった、カバーするね〉って言ってくれるので。そういった意味でも頼りになりますし。
いい環境というか、そういった意味でもストレスないです。ゆっきーにも言ったら配慮してくれるし、熊さんも助けてくれると思うので」
――体調的にはいままでのキャリアで一番しんどい状況にはなってるはずなんだけど、周りのサポートもあるし、この状況でもいまが一番楽しいと思えるわけですね。
Nao☆「はい、そう言えますね」
――すごいなあ!
Nao☆「LINE CUBEのワンマンに被っちゃったらとか、そういう不安もあって。体調がめっちゃヤバいときにめっちゃ大きいライブとか」
――それがいつ来るかもわからない感じなんですよね。
Nao☆「わかんないです。でも楽しいです」
――いろんな波があって、いつ誰が辞めるかわからなかったグループが、3人ともいまが楽しいと思えるようになったわけですね。
Nao☆「たいへんだけど、たいへんさも分かち合えて。〈Negiccoの活動を通してメンバーを一番大切にしなきゃいけないんだよ〉ってゆっきーに言われたことがあって。もちろんしてなかったわけではないんですけど、そこでよりメンバーを一番大事に思えるようになって。その気持ちがふたりに伝わってるのかなって思ってます。
ふたりも何かあったらいろんな報告してくれたり、連絡してくれたり、たまに電話でグチッたりとかして」
――お子さんも同学年だと、おそらく今後も同じようなことに同じタイミングで悩むだろうし。
Nao☆「そうなんです。ひとりでも生まれてなかったらこういう話はたぶんできないし。
笑い話でゆっきーにミーティングで〈3人同時期に産んじゃえば? ハハハ〉って言われて、次のミーティングで〈そうしようと思ってます〉って言ったら、〈いや冗談だよ、そんなうまくいくわけないじゃん〉って言われたらうまくいって、こうして20周年もできてっていうのはホントにNegiccoを頑張ってきて行ないがよかったからかな、神様が味方してくれたのかなって思います」

お子さん連れやママが通いやすい現場を作っていきたい
――ホント「よかった」のひと言ですよ。活動自体は緩やかではありましたけど、ソロもめちゃくちゃ好きだったんですよ。
Nao☆「ホントですか!」
――かえぽ、ぽんちゃはそれぞれしっとりしたいい曲を聴かせるモードでそれももちろん好きなんですけど、特に最近の“悠久の星”はすごいと思ったんです。ひとりで歌ってるのにNegiccoだ、Nao☆ちゃんの声がNegiccoなんだなってこの曲を聴いて思いました。
Nao☆「ありがとうございます、うれしいな。あの曲は歌ってても楽しくて。これがやりたかった! っていう感じでした。
ホントに熱いメッセージを(作編曲の)Nagakumoさんからいただいて。〈こういう気持ちでNegiccoのソロ曲を作らせていただいて光栄〉みたいな感じで言っていただけたのが、Negiccoを頑張ってきてNegiccoがそういうふうに見てもらえることも、ソロとしても頑張ってきてよかったなって思えました」
――体調が悪くてそんなに活動ができないときって焦りはあったんですか? それどころじゃない?
Nao☆「待ってもらってるっていうことについては。ちょうどウイルス禍になったり、もしかしたらちょっといいタイミングだったのかなっていうところは正直あって。
このタイミングじゃなくて、めちゃめちゃバタバタ忙くてっていう時期だったらまた自分の気持ちがちょっと……」
――肉体と精神の限界がきてましたよね。
Nao☆「〈豪さーん!! 助けてください!〉ってなってたかも(笑)」
――それを助けるのは難しいです! ただ、20年経っていろいろ安定してきてよかったなと思ってましたけど、まだぜんぜん危なっかしいというかたいへんな状況みたいじゃないですか。
Nao☆「そうですね、迷惑かけちゃう部分もこれからみんなそれぞれ出てくると思うので」
――迷惑じゃないですよ、それはしょうがない。
Nao☆「ふたりもそう言ってくれるんですよね、たとえばラジオに出られなかったときに〈ごめんね〉って言うと〈いや、みんなで助け合っていこう〉みたいな。
家庭を持って子供が産まれて、やっぱりたいへんはたいへんで。子供に我慢させてないかなとか思う部分もなくはないので。でも、活き活きしてるママがきっと好きと思ってやってて。子供がテレビ観てて自分のCMが流れると、最近反応するようになって」
――お、ついに!
Nao☆「そうなんです。“圧倒的なスタイル”を母ちゃんが子供に観せてたら、子供が〈ハッ、ママ!?〉みたいな感じになったり。そういう反応があると、これから子供がNegiccoをもっとわかるようになって、Negiccoをやってることで喜ぶ顔が見たいって、それが3人の楽しみになって。
だからごめんねっていうより、みんなで助け合ってありがとうって言える関係と、みんなたいへんな時期はたいへんだからサポートし合っていこうっていう体制でいるので」
――スタッフサイドのやり方も変わっていきそうですよね、託児所問題とかいろいろ考えていかないといけない。
Nao☆「宇多田ヒカルさんのライブ会場に託児所があるって聞いてすごいなと思って。最近は特典会でもあったんですけど、お子さん連れの方がサイン会に並んでくださって。
ちっちゃいとギャーッてなってきちゃったりする状況を目の前で見てると、いままで以上に気持ちがめちゃめちゃわかるので、かえぽに〈ねえねえ、ちょっとたいへんそうだよね〉って言ったら、かえぽも〈うん、気になってた〉って言って、〈熊さんに話してみてもいいかな〉〈そうしようそうしよう〉ってなって、熊さんに〈お子さん連れを見つけたら優先的に前に来られるようにしてあげてほしい〉って言って。
そう言えるのも自分たちのファンの人がすごく理解力があって優しくて、〈どうぞ〉って言ってくれる人たちだからそれも言えるし。そういう関係性をファンの人と作れて、信頼できるファンの人だからそれができるっていうのもホントありがたくて。ファンの人も〈どうぞどうぞ〉って言ってくれてるのを見て、〈Negiccoちゃんの現場は行きやすい〉って言ってもらえる環境を作ってあげられるようにしたいなって」
――子連れで通いやすいアイドル現場に。
Nao☆「はい。待っててギャーッてなってるのがどれだけたいへんかわかるので」
――自分がいまライブ行くのがどれくらいたいへんなことかっていうのもわかりますからね。
Nao☆「そこで躊躇しちゃったり。ただ、それでも行きたいと思ってもらえることがありがたいので、行ってよかったとか、Negiccoちゃんの現場に行ってもそうやって配慮してもらえるからとか、ファンの人も理解してくれるからっていう現場を作っていきたいなって思いました」

毎年〈いまが一番幸せ〉って言える未来を作っていきたい
――とにかくアイドルの世界で新しい道を切り開いてほしいです。
Nao☆「私たちのこの状況をアイドルの子たちがどう思ってるのかはわからなくて。〈みなさんNegiccoさんを目標にされてますよね〉って言われるんですけど〈いや、それはちょっとわからないです〉ってみんな言ってるんです」
――目標かどうかはわからないですよね。
Nao☆「はい。決して(東京)女子流ちゃんとかみたいに〈キャーッ女子流ちゃんだ!〉とか騒がれる存在ではなかったと思うんで」
――ただ、アイドルが生きやすい道を作っているとは思うんですよね。それぞれが結婚して子供を産んでも活動できるという前例ができることで、ちょっと気が楽になった人はいるはずで。Negiccoはこの新しい形をどれくらい平和な感じでやり続けられるのか。このNegiccoらしい空気を保ちながら相変わらずのいい曲をやってくれたら、こっちはそれだけでいいんですよ。
Nao☆「そうですね。いまEspeciaの(森)絵莉加ちゃんとかすごい支えてくれてて。いまだに頻繁に連絡取ってるので。いまだにアイドルやってた子たちとつながってて、いろんなアドバイスや勇気をくれたり、子供の相談したり、助けてもらってて。それもNegiccoを通して出会えた仲間たちで。そういう縁をこれからもつなげていきたいなって思います」
――このままNegiccoがいい形を見せてくれたら何かが変わっていく気がします。
Nao☆「頑張ります! 毎年〈いまが一番幸せ〉って言える未来を作っていきたいな」
――何か言い残したことはありますか?
Nao☆「何かあったら豪さん助けてください。ネガティブな相談にも乗ってください!」
――しばらくなかったけども。
Nao☆「はい。ネガティブなことツイートしたときに豪さんがリツイートすると〈うわヤベえ!〉と思って(笑)」
――正直、ボクが関わらなくても大丈夫な体制になってよかったと思ってるんですよ。ちゃんと安定したなっていう。
Nao☆「豪さんはいずれ安定するかなと思ってたんですか?」
――そうですね。前は「私はSNSやっちゃいけない人間だと思います」とか送ってきてましたけど。
Nao☆「ハハハハハハ! ホントはやりたくなくて、怒られて始めたので」
――「そんな人間なんか存在しませんよ!」って当時は返してましたね(笑)。
Nao☆「懐かしい! ヘヘヘヘ。ホントここまでやってると思わなかった」
――インタビューするたびに「実は危機があって」と言ってたグループが、ここまでちゃんと平和に生き延びてるだけで良しですよ。
Nao☆「はい、平和な気持ちで平和島(この日の取材場所=タワレコ本社がある街)にいます!」
RELEASE INFORMATION
リリース日:2023年7月20日
フォーマット:デジタル(サブスク、DL)先行リリース
品番:FAWA-0020
TRACKLIST
1. Make Up Promenade 作曲・編曲 長谷泰宏(ユメトコスメ)
2. お久しぶりです・お元気ですか 作詞・作曲・編曲 小西康陽
3. Neggy‘s House 作曲・編曲 南葉洋平(The Recreations)
4. それって魔法かも? 作詞・作曲・編曲 オカモトコウキ(OKAMOTO’S)
5.ル・ルーラは愛の言葉 作詞・作曲・編曲 connie
6. サークルゲームのなかで 作詞・作曲・編曲 ミト(クラムボン)
PROFILE: Negicco
2003年に結成された新潟発アイドルユニット。メンバーはNao☆、Megu、Kaede。〈にいがた観光特使〉を務める。今年2023年7月20日で結成20周年を迎えた。






