いまをときめくスケプタと同じくゼロ年代ロール・ディープの構成員にして、ジェイムズ・ブレイクの実験名義であるハーモニミクスのアレで脚光を浴びたトリンバルことトリムが、そのJBのプライヴェート・レーベル=1-800ダイナソーから投下したフル・アルバム。恐竜一家総出の援護射撃を受けた内容は、エアヘッドの蛇行するベースラインを不敵に飼い慣らした“Man Like Me”や、裏拍で連射されるハットワークの特徴的な“Waco”、トライ・アングルリンスからの諸作で注目を集めるブースロイドが撒き散らしたホワイト・ノイズを淡々と操る“White Room”では、15年のキャリアを滲ませるライミングで見せ場を連発。唯一主役が寡黙に徹するクラウス製の沈殿マーチ“Seeker”も効かせながら、ルーツ・マヌーヴァが『CMYK』期のJBと邂逅したかのような、UKベース・ミュージック史の積み上げてきた圧倒的な凄まGさに痺れる“RPG”ももちろん収録。コマゲン地獄必至で最の高。