クラシックとポップスの融合、使い古されたこの手法がそれでも光るのは、アーティストの真の実力が輝いているからだろう。ニューヨーク生まれモスクワ育ちのシンガーソングライター、エリザヴェータ堂々の日本デビュー。ショパン、べートーヴェン、チャイコフスキーの旋律に乗せて、彼女の言葉が寄り添い紡がれる。「心に優しく響く」の触れ込みは伊達でも誇張でもない。体の芯まで沁み渡る彼女の歌声がクラシックの音色(本人もピアノを弾く!)と相乗効果を生み最高のサウンドを鳴らす。華麗なるワルツ(op.34-2)に乗せた《Mariner's Song》の涙を誘うこと。実に麗しい音楽だ!