〈素敵な日本の女性になれますように〉をテーマに〈Vol.1〉を編んだのが2012年。その後、人間関係や社会問題など視野を広げながらシリーズを重ねてきたNakamuraEmiが、改めて原点である〈女性〉というテーマに向き合った。ヒップホップ、ラテン、フォークといったニュアンスを含むファンキーなサウンドに乗って描かれる、女だからこその悲喜こもごも。男だって思わずほろっとくる瞬間もあるから手強い。

 


日本の女性の〈弱さゆえの強さ〉を歌わせたら右に出る人はいない彼女の4作目。すでにデビューからスタイルは確立しているが、リズムを崩したり、バックの音程を崩したり、音数を減らしてみたりと、アレンジをひと工夫させることでより歌声と歌詞を際立たせることに成功している。強い女を歌った曲以外にも、朗読と歌を行き来するような“いつかお母さんになれたら”にグッときたり、〈マンション内では挨拶禁止〉なんて現代に優しく警鐘を鳴らしつつも、ホッとするような光景を描く“おむかい”に心温まったり。ネガティヴかと思ったら次の瞬間にはポジティヴになって、笑ったかと思ったら怒って泣いて、優しくて厳しくてやっぱりどこか魅力的で、そんなひとりの女性をそのまま凝縮したような1枚。