“スペインのバッハ”カバニーリェスをはじめ、カベソンアラウホほかスペイン黄金期の作曲家の手による優れたオルガン音楽を、リコーダーや弦楽器、打楽器入りのアンサンブル用にアレンジし、生き生きと軽妙な演奏で聴かせる1枚。魅力あふれる編曲のおかげで古楽好きやオルガン好きのみならず、一般のクラシックファンにもスペイン古楽の素晴らしさが伝わることだろう。その意味でも当盤の意義は大きい。フランスやイギリスの音楽同様、音楽史の上では古典派の終わりごろから途端に影が薄くなってしまうスペイン音楽だが、それ以前の時代に目を向ければたくさんの宝が眠っているのである。