風ぐるまは波多野睦美、栃尾克樹という高橋悠治と共演の多い演奏者により2012年に結成され、本作が初CD作品となる。クープラン、パーセル、マレ、バッハらの作品の間に映画音楽で有名なハジダキス、12歳で自殺した少年岡真史や永瀬清子、辻征夫らの詩に高橋が曲を付けたものにより構成されている。波多野の英語、ギリシャ語、日本語等それぞれの言語の持つ抑揚や詩の情感の表現の巧みさは圧巻です。また、バリトンサックスというある種無骨な音色を持つ楽器が、バロック作品に於いてはオブリガードとして、高橋作品ではより自由に奏でられ、このトリオの個性をより際立てています。