それぞれの思いを経て供に進む道 全曲メンバーによる作曲作品が完成!

 結成9年目となるTSUKEMEN。ニューアルバム『RECHARGE(リチャージ)』では、初の全曲メンバー作曲作品という試みが実現した。

TSUKEMEN RECHARGE キング(2017)

 「デビュー時から、ゆくゆくはすべて自分たちの楽曲でやろうと決めていました。クラシックの演奏家は基本、カヴァーする人。でも、世の中のミュージシャンは違いますよね。自分たちの思いを託せるのは、やっぱり自分たちの曲です。9年かかりましたが、今のタイミングで実現してうれしい」(T)

 「3人それぞれの思いと人生がある中で、それぞれの“今”を切り取って曲にしました。でも、お互いに共感できる要素が多くて。同じ時代を同じグループとして生きることで、たくさんの思いを共有しているんだと気づかされました。反骨というより、前向きに進んでいきたい。今はそういう時期なんだと思います」(S)

 クラシックのエリートとして研鑽を積んでいた3人。ここに至るまでには、さまざまな紆余曲折があった。

 「3、4歳からソリストになるために勉強していると、頂点に立つことしか考えなくなるんです。結成直後は、グループでやっていても『俺が、俺が』でまとまりはなかったと思いますね。ところが5年目に、互いの思いをぶつけることが相乗効果になるとわかった瞬間があった。音のバランスや立ち位置が、クリアになったんです」(T)

 「作曲にしても、最初は1曲ずつ書いて、恐る恐るライヴで演奏したんです。そしたらお客さんたちが大喜びしてくれて。そのときの嬉しさが忘れられません」(S)

 「演奏家としてステージに立つときは、自分が出す音に対しての緊張感でガチガチでした。でも作曲をするようになって、ステージを楽しめるようになりました。演奏のよしあしでなく、お客さんが人としての僕らと向き合っているのがわかるからです」(K)

 3人の強さは、メンバーやスタッフ、ファンを含めた人との出会いによって育まれてきた。

 「たとえば《Dear Doctor》を作曲したのは、お世話になっていた先生が亡くなったことがきっかけでした。ヴィオラを使用したのも先生のイメージです」(T)

 「好きです、がんばってくださいと、言葉にするのはたやすい。でも、愛しているのに切なかったり、幸せなのに不安だったり、そういう複雑な思いは言語化できないですよね。そういう思いを音楽に託したいんです。《Sincere》は、複雑な愛をひとつに凝縮した曲です」(K)

 「具体的な目標はわからない。でも、まだまだ足りないと思っている僕らがいる。これからもいい意味でイメージを覆す活動をつづけていきたいと思います」(S)

 


LIVE INFO

TSUKEMEN LIVE 2017 ~RECHARGE~
○4/22(土)長野・軽井沢大賀ホール ○5/13(土)石川・北國新聞赤羽ホール ○14(日)富山・富山県民会館 ○19(金)埼玉・川口リリア 音楽ホール ○27(土)長野・八ヶ岳高原音楽堂 ○6/4(日)千葉・松戸・森のホール21 大ホール ○9(金)静岡・アクトシティ浜松 中ホール ○11(日)兵庫・神戸新聞 松方ホール ○18(日)新潟・長岡リリックホール コンサートホール ほか
www.tsukemen3.jp