3人が新たに挑戦した初のフル・オリジナルアルバム
今年メジャーデビュー5周年を迎える人気トリオTSUKEMENは、ヴァイオリン2本とピアノという異色編成で、柔軟かつ精力的な活動を繰り広げてきた。
4月リリース6枚目の新譜は、長年の夢だったという初のフル・オリジナル。タイトルはそんな新たな挑戦に因み、〈作品番号1〉を意味する〈オーパスワン〉と命名されている。収録曲はメンバーの自作&人気作曲家への委嘱作の全9曲。その中央に並ぶのが、デビュー当時から彼らを見守る長生淳と渡辺俊幸の作品だ。
「長生さんの《両如夢(ふたつながらゆめのごとし)》は、『源氏物語』の一節に由来。聴き手にも弾き手にもスルメのような作品ですね。試聴や演奏を重ねるほど味わいが出てくる(笑)。渡辺さんの《駆け抜ける情熱》は、同じコードが続くのが特徴。タイトルそのままに爽快なナンバーです」(TAIRIKU/vn)。
当盤には2人の女性作曲家、轟千尋と紅林やよいの書き下ろしも収録。KENTA(vn)によると、いい意味でどちらも女性らしく、しかも好対照だという。
「クラシックや映画などで活躍されている轟さんの《novelette》は、慈愛に満ちていて、まるでマザー・テレサのよう。ご自身がピアニストでもある紅林さんの《21世紀の斜陽》は、バリバリのキャリア・ウーマンのようにカッコいい。“The・働く女”という感じです(笑)」
他にもゲーム音楽の若き巨匠・近藤嶺が手がけた《SAMSARA》や、ウィーンで活躍する鬼才・Tscho Theissingの《ASTOR-SATOR》など、聴きどころが満載だ。
「お2人とも今回が初委嘱。僕たちと同世代でもある近藤さんの作品は、サンスクリット語で〈輪廻転生〉という意味。Tschoさんはピアソラのタンゴがモチーフになっています。TAIRIKU曰く、どちらも肉食気分の時に聴いて欲しいそうです(笑)」(SUGURU/p)。
そして3人の自作。SUGURU《GOEMON★ROCK》、KENTA《雪原を越えて》、TAIRIKU《クリスマスベル~祈り》に関しても、TAIRIKUは聴きどころをユーモラスに語ってくれた。
「やる気があれば何でもできる的な気分なら《GOEMON~》、晴れやかな光を自分の心にあてたい時は《雪原~》、自分の時間に一人でじっくり浸る際には《クリスマス~》がお薦めです」
5月からはCD発売記念のライヴ・ツアーもスタート。これらの新作たちは公演を重ねるごとに磨き込まれ、充実と燃焼度もさらに増していくことだろう。
LIVE INFORMATION
TSUKEMEN Special Live 2015
○4/25(土)愛知・刈谷市総合文化センター アイリス
○5/4(月・祝)兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
TSUKEMEN LIVE 2015 ~FRONTIER~
○8/22(土)16:00開演
○8/23(日)14:00開演
東京・紀尾井ホール 他、全国ツアー