昨年のインスト盤『The Odd Tape』やEP、オリヴィエ・セント・ルイスらとの仕事で安定した評価を得ながら、ラップ・アルバムはまたも規則正しく2年ぶり。前作は歌唱にまで至るマイク捌きでビートメイクの自由さに寄り添ったが、今回はそれに加え、幕開けの熱い“Digging Deep”からもわかるようにフロウのリズミックな躍動感を深化させてきた。メッセージの強さはもちろん、またも音楽的な野心が頼もしいソウルフルな一作だ。