近年の多作ぶりもあってメロー・ミュージックの看板ビート職人に定着した感もあるオディッシーダイアモンド・ディストリクトでの好盤やホセ・ジェイムズとの仕事も挿んで2年ぶりに届いたソロ・ラップ作は、改めてMCとしての評価も更新するに違いない出来。緩急自在で一癖ある自身のリズム構築に導かれ、いわゆる歌にまで至る語り口はいつも以上に自由でソウルフル。単なるグッド・ヴァイブの再生産に陥らない佳作だ。