とにかく声を発するだけで心地良い濃密な湯加減を作り出すヒューストンの傑物が、これにてラストという触れ込みのアルバムを出してしまった。“Devil In Me”にアイズレー歌唱を挿入するロニー&ロネッタ・スペンサーを除けば客演もナシ。20年に及ぶキャリアの総決算という華々しさもなく、極太でまろやかな鼻歌をソウルフルに吐き出す姿はいつも通り最高だ。とか言いつつ、何もなかったように次作が出ることを望みたい。