しばしの不在を経て昨秋のEP『CHANGE THE WORLD』で帰還を果たす一方、本業とは関係ない部分でその名が取り沙汰される機会もあったRYKEY。で、こちらはそれ以前に大半が制作されながら、ブランクに伴ってお蔵入り状態になっていた〈幻のサード・アルバム〉である。視野を広げて描かれたEPでの歌世界とはまた異なり、ここに渦巻くのは過去2枚のアルバムから地続きとなるダークでブルージーな音と言葉だ。KUTの指揮下でドラム・ギャングやクライド・ストロークス、MOITOらがトラックを提供、田代まさしの念押しで始まる冒頭からクッキン・ソウルによる90sマナーの“Smoke G”、メロウな“All In My Hand”までが、怒涛の日々とその合間のわずかな安息を演出する。漢やSALU、SIMONらも客演。