Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。今回は第97回です。紹介した楽曲はSpotifyのプレイリストにもまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部
【酒井優考】
本日休演 “天使の沈黙”
先週リリースの『MOOD』より、後半の美しいナンバーがMVに(この曲がMVになるとは思いませんでした)。監督は個人的に大好きな小池茅。なんだか世界はせかせかしていますが、このMVのように周囲に振り回されずに自分だけの時間を過ごしていきたいです。
sunsite “夏の終わり”
くるりなどのサポートでも知られる元The Cigavettesの山本幹宗(ギター)と、俳優の永嶋柊吾(ヴォーカル)が結成したユニットが先週デビュー。ベースは上野恒星、ドラムはBOBO。“夏の終わり”っていうタイトルじゃなくても遠い夏の日を思い出すような、どこか懐かしいメロディーが胸に沁みる。
眞白桃々 “おねがいシーケンサー”
ヤスタカファンはヤスタカワークスを全部チェックします。もう5年以上出てないCAPSULEの新譜、今年こそ出るかなあ。
aymk “blind”
すっごいカッコイいいからもっともっと評価されればいいのにと思ってるaymkさん。ずーっとダークでずーっと冷たい。1:21~のコーラスのハモりヤバ。
【天野龍太郎】
ano “SWEETSIDE SUICIDE”
ano=あのちゃんの、“デリート”“Peek a boo”に続くシングル第3弾。今回はanoがみずから作曲した、とてもシンプルなフォーク・ソング……と思いきや、TAKU INOUEさんがシューゲイズ&エレクトロニックなアレンジを施しています。シンガー・ソングライターとしてのanoの繊細な素顔と自己破壊衝動に衝き動かされるパンクなanoの姿、その両方を伝えているように感じました。配信リンクはこちら。
imai feat. 七尾旅人 “MONSTERS (ウ山あまね Remix)”
私的今週の一曲。とにかくぶっとばされました。いま話題のウ山あまね(TOWER DOORSも激推し)によるimai“MONSTERS”のリミックス。電子音が激しく暴れまわるフューチャリスティックなハイパーポップですが、先日惜しくもこの世を去ったソフィーの作家性を受け継いだインダストリアルな感覚があることを聴き逃してはいけません。このタイミングでこのリミックスが発表されたことは、とても意味があることだと思います。配信リンクはこちら。
豊田道倫 “東京のSSW”
CDオンリーのEP『GRAND LOVE』を年末にリリースした豊田道倫が、2021年最初の楽曲“東京のSSW”を発表。大阪に移った豊田さんが歌う“東京のSSW”に意味深なものを感じて、なんとなく曽我部恵一“Sometime In Tokyo City”を重ねたくなる(豊田さんがここで歌っているのは女性のことだと思いますが)。あと、麓健一が歌っているのには驚きました。ふもけんさん、元気かな。岩淵弘樹とカンパニー松尾が撮影したというミュージック・ビデオも感動的で、ぐっときます。
玉名ラーメン “fake ID CVN Remix”
玉名ラーメンが1月にリリースしたシングル“fake ID”を、CVNこと佐久間信行がリミックス。耳をつんざくノイズから始まり、電子音と電子音の隙間からグルーヴが立ち上がる素晴らしい翻案。それにしてもCVNはどんどんサウンドが先鋭化を続けていて、新しい楽曲を聴くたびその音に驚かされます。
玉名ラーメン “fake ID [fijitrip remix]”
YouTubeでたまたま見つけた、同じ“fake ID”のリミックス。ノルウェー・オスロのアーティストであるフィジートリップによるものです。CVNとは対照的に、メロディーを強調した叙情的なサウンドのハイパーポップ・リミックスで、こちらもかっこいい!
KOHH “John and Yoko”
最後のツアー〈WORST TOUR〉を控えるKOHHから、『worst』に収録されている“John and Yoko”のビデオが届けられました。モデルの宮本彩菜が出演した、リリカルで温かい胸を打つ映像を観ていると、〈そっか、KOHH、引退しちゃうのか……〉なんて感傷的な気分になってしまいます。『worst』の購入&配信リンクはこちら。
RYKEY × BADSAIKUSH(舐達麻)“Roots My Roots (prod.SIBA)”
RYKEYと舐達麻のBADSAIKUSHによるコラボレーション作品『MARYJ JANE』(2019年)の収録曲“Roots My Roots”。本日2月16日、同曲のビデオが公開に。言葉を淡々と詰め込んでライムするバダサイと低声で力強くスピットするRYKEYが好対照で、それぞれが信じるものがよく表れた曲だと改めて感じ入りました。『MARY JANE』の配信リンクはこちら。
GOODMOODGOKU “Drugs”
GOODMOODGOKUの新作『Purity』から。〈ロンリーな言葉たちが夜を彩り/始めるのさ俺らだけのStory〉とかなりロマンティックなリリックですが、主題は〇〇〇〇。〈レイムなハートじゃモノホンPlayerになれずリタイア〉というラインは、あのクラシックへのトリビュートですね。『Purity』の配信リンクはこちら。
BBY NABE “もしうっせぇわをTravis Scottが歌ったら”
もしうっせぇわをTravis Scottが歌ったら pic.twitter.com/FpLYd5UYT3
— 🍼BBY NABE🍼 (@bbynabe) February 12, 2021
Twitterのタイムラインで見かけたナイス・カヴァー(??)。話題の原曲は〈not for meすぎる……〉と感じたのですが(すみません)、ラッパー・BBY NABEのもはや原形を留めていないこのポストには〈おもしろい〉と笑いながら〈うまい〉とうなってしまいました。アイデアの勝利。