〈音楽の都〉からやって来た、噂の二人組に直撃!
intoxicate誌131号でもご紹介した、ヴァイオリン&マンドラ奏者のクレメンス・ビットマンとチェロ奏者のマティアス・バルトロメイによる、ウィーン生まれのストリングス・デュオがついに来日。2月に吉祥寺・スターパインズカフェで行われた初ライヴでは2ndアルバム『新構築』からの曲を中心に独創的なステージ・パフォーマンスを披露し満員の客席を沸かせた。
「第一にライヴ・バンドでありたい。使うのは普通のクラシックな楽器だけれど、それを僕らがどのように扱って(音を出して)いるのかを聴衆に見てもらうことも想定して、曲を作っているんだ」【クレメンス】
二人で3つの楽器、だがその可能性は限りない。
「僕がヴァイオリンを持つと、自ずとマティアスが後ろに下がってメロディを支える側に回るし、マンドラだと僕の方がハーモニーやコードでギター的役割を担う。そのコンビネーションが強み」【クレメンス】
「加えて僕のチェロも、弓で演奏するだけでなく指で弾いたりボディを叩いたりしてアプローチを変えられる。それによってサウンドにグルーヴ感を出すこともパーカッシヴにするのも自在なんだ」【マティアス】
ライヴではクレメンスがヴァイオリンの弓を思いっきり振って音を出す楽曲(※現在制作中の3rdアルバムに収録予定とか)も印象的だった。
「目を閉じて聴くと、いろんな楽器をもった演奏家が沢山いるみたいでしょ?(笑)。3枚目ではそのかんじを更に追究したのでご期待下さい」【クレメンス】
疾走感溢れる楽曲の途中でまったりとしたかと思えば、変拍子が炸裂したり、ハードロックなリフがあったり、自由でプログレッシヴな音楽作りに圧倒される。
「初めて出会った時からケミストリーを感じたし、言葉で説明しなくてもお互いに理解できた。クラシック曲のアレンジやポップスのカヴァーではなく、オリジナル曲を自分たちのスタイルで演奏したいっていうのも最初に意気投合した部分」【マティアス】
「曲作りはお互いにアイデアを持ち寄り、どんな感情や物語を伝えたいか、詳しく意見交換を繰り返して進める。一番難航するのは、どちらが引っ張って行くのか寄り添う側なのかを曲によって見極める時かも。でも二人ともその作業を楽しんでいる」【クレメンス】
謎めいた曲のタイトルから、CDパッケージのアートワークに至るまで(※曲のリズムパターンを数字の羅列に置き換えて記してあったりするのも面白い!)細部へのこだわりも魅力。特にYouTubeでも人気の凝ったつくりでユーモア満載のPVは必見だ。
「マックス(PVの監督)はいい意味で僕らの共犯者であり同志。新作もお楽しみに!」【マティアス】