すぐに聴いてみたいと思った、エリック・ハーランド(ds)、マット・ブリューワー(b)、それにアーロン・パークス(p)というリズム・セクションだったから。これまでレコーディングでは聴いたこともない、みたことのない組み合わせがとても新鮮だった。繊細に反応するリズム・セクションに、マーク・ターナーのアルティシモの逆をいく、リーダー、ベン・ウェンデルの太いテナーの音が気持ちよく走りだす。資料にはチャイコフスキーの<四季>にインスパイアとあるが、このクインテットのジャズらしい、しなやかでスピーディーな動きのどこにチャイコの大陸ロマンティークがあるのかわからないが、素晴らしいジャズの発露はここにあった。