映画「ベイビー・ドライバー」の冒頭でブルース・エクスプロージョンの曲が使われ、新たなファン層を取り込んでいた最中に放つ初のソロ作。表題からカヴァー集と勘違いすることなかれ。クランプスを彷彿とさせる“Cape”をはじめ、すべてが書き下ろしだ。リズム&ブルースや60sのガレージ・ロックに対するオマージュが詰まっている点はこれまでの作品と同じだが、ジョン自身がブッ叩くメタル由来のリズムとサム・クームズ(クアージ)によるシンセが、本作をブルース・エクスプロージョンの時とはひと味違うユニークなものにしている。なかにはプッシー・ガロアを思い出す人もいるかも? しかし全曲が踊れるという意味ではそれとも違う。ジョンがここで提示しているのは完全に新しいロックンロールだ。