ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンを率いるカリスマ・ロックンローラー
プッシー・ガロアのメンバーだったジョン・スペンサーがNYでジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン(以下、JSBX)を結成したのは、91年のこと。ベースレスの3人組は、ブルースやガレージ・ロックを独自に血肉化した音楽を展開。マタドールと契約後は『Orange』や『Acme』などの強烈な代表作を放ち、そのサウンドとジョンのカリスマ性は、ここ日本でも多くのファンの心を掴んだ。が、2005年にバンドは活動を休止。2012年に完全復活した後は、ジョンスペ・ファンを公言する伊坂幸太郎原作映画「グラスホッパー」(2015年)に楽曲を書き下ろすなど、活発な動きを見せる。そして2018年、リーダーのジョンは、ついに初のソロ作をリリースする。
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JON SPENCER Spencer Sings The Hits Sony Music Japan International/In The Red Records(2018)
初期衝動ロックンロールが詰まった初ソロ作
ジョン・スペンサーが〈直感を信じて、やりたいことをとにかくやった〉というキャリア初のソロ・アルバム。ジョンはヴォーカルとギターはもちろんのこと、メタル・パーカッションも担当(ガソリン・タンクを叩いているとか)。結成当初のJSBXを思わせる、初期衝動と知性とが完璧な形で同居したロックンロールが詰まっている。
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オリジナル・クリアステッカー(先着)
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92年のデビュー盤に刻まれた初期衝動
プッシー・ガロアでの活動を終え、91年にJSBXを結成したジョン・スペンサー。早速マーク・クレイマーとステイーヴ・アルビニの2人とそれぞれセッションを録音。その荒々しい勢いは、92年リリースの日本デビュー盤に刻まれている。実はこのアルバム、当時東京のガレージ・シーンを牽引していた1+2レコーズからのリリース。
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時代の寵児となった“Bellbottoms”収録作
ジーザス・リザードのサポートなどで存在感を高め、晴れてマタドールと契約。ブレイクスルーとなったのはこの『Orange』だろう。“Flavor”のミュージック・ビデオではベックとビースティ・ボーイズのマイク・Dと共演する時代の寵児っぷり。なにせ映画「ベイビー・ドライバー」の幕開けを飾ったことも話題の“Bellbottoms”が1曲目!
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充実の絶頂盤でJSBX人気は決定的に
オルタナティヴ・ロックが主流となるなかJSBXはアレック・エンパイアら複数のプロデューサーと『Acme』(=絶頂)を制作。その人気は決定的なものに。CorneliusやBuffalo Daughter、チボ・マットらとの交流もこの前後。ウィノナ・ライダー出演のMVも話題を呼び、日本企画盤なども発売された。
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むきだしのロックンロールで完全復活!
2005年から休止状態にあったJSBXだが、2012年の〈オール・トゥモローズ・パーティー〉出演で活動再開、8年ぶりの新作で完全復活を遂げる。〈肉と骨〉という題そのままに、無骨でむきだしのロックンロールが12曲並んでいる。来日時には盟友・ギターウルフとの対バンも実現させ、現役っぷりを見せつけた。
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ジョンスペ再注目のきっかけは話題の映画
そんなJSBXのカッコよさを改めて知らしめたのは、2017年の映画「ベイビー・ドライバー」のはず。スタイリッシュな映像と見事にシンクロしたオープニングの“Bellbottoms”は、〈あの曲はなんだ!?〉と世界中の観客をザワつかせた。そのチョイスからは、エドガー・ライト監督の熱烈なジョンスペ愛が伝わってくる。