赤い公園の脱退から約1年半。ソロのシンガー・ソングライターとなったチアキから突然届けられた配信限定トラックは、2曲ともすでにライヴでは披露されていたものの、大幅なアレンジとブラッシュアップを重ねられたもの。まさかの〈シェンロン〉から歌詞が始まる“向かい風”は落ち着きのあるロック・ナンバーだが、サビでテンポは倍速に。強い決心をした自分が実はすごい逆風のさなかにいることを実感させる。しかしチアキが力強く歌う状況は〈向かい風を浴びて〉→〈向かい風の中で〉→〈向かい風の先へ〉とどんどんと明るくなっていき、曲調からも歌詞からも自然と勇気が湧いてくるような楽曲に仕上がっている。一方の“Blueberry Night”はマリンバが踊るアップテンポなナンバー。心地よいリズムに合わせて、まるで絵本や物語のような世界観を情感たっぷりに歌い上げるチアキの歌声を聴きながら、そういえば彼女が自作の小説を元にラジオドラマをやっていたことも想起させる。いよいよ音源もリリースし、5月には初の舞台出演も待っているチアキ。彼女が向かい風の先で見るのはどんな景色なのか、今後の活動に期待が高まる。