ディズニーをこよなく愛するシンガー・ソングライターのチアキ。昨日、ソロ初音源となる配信シングル『向かい風 / Blueberry Night』をリリースしたばかりですが、読者のみなさまはもう聴かれましたか? みなさまからの感想を心待ちにしているようなのでぜひ彼女のインスタで反応してあげてください。きっと喜びます。
そんないまノリにノッている彼女がディズニー作品の観どころを紹介する本連載。2019年最初に紹介するのは、本日3月6日(水)にブルーレイ+DVDセットがリリースされる映画「くるみ割り人形と秘密の王国」です! それじゃあアリエル、配信シングルがめっちゃ売れるような素敵な感想文をよろしくね! *Mikiki編集部
最近またちょっと寒くなりましたね。しかも低気圧が半端ではない。でも身体の重さや鬱々とした気分を気圧のせいにできたりもするから、ちょっと楽な面もあったりなかったり(ないんかい)。
最近仲良くなったシンガーの子と、ご飯に行きまして。すごく落ち着いた雰囲気で貫禄さえ感じるんだけど、よく話してみるとまあ、ものっそい抜けてるんです。
具体例としては、デザートメニューを見ながら「ふーん。ずいぶん高圧的なデザートが多いですね」と呟いたり(濃厚と言いたかったらしい)。わりと真面目に何か話してくれてる時も、その真剣なテンションとまったく同じトーン&表情で「……いま私何について話そうとしてます?」と聞かれたり(優しく「知らないよ」と答えました)。そういうタイプなので妹みたいに思えてきたし、いつも読んでくださっている皆さんはもうお気付きでしょうが、完全に私と同じタイプなんですね、多分。
それどころか、いつも人から言い間違え書き間違え覚え間違えを指摘されまくる私は、〈抜けている、という点で私より上の人がいた!!!!〉、〈この子に対しては賢いフリができそうだ!!〉と優越感に浸っていました。溺れそうなほどに。なので、ちょっと油断してたんですよね。
そんな気持ちの良いご飯会の中盤、その子に渡そうと持ってきた最近ハマってるエルダーフラワー風味ののど飴を一粒あげたんです。彼女もたまたまエルダーフラワーが好きだったみたいで、喜んでくれて。
「美味しいですよねエルダーフラワー!! 嬉しいです!!」
かわいいなあと思っていたら、その子が言うんですよ。
「でも、エルダーフラワーって実際なんなんですかね?」
思わず笑いました。自分が好きなエルダーフラワーのこともわからないんかい、と。それで好きだと言っていたんかい、と。いまからお姉さんが教えてあげるからね、と。嬉々として、めっちゃ上から目線で、
「いやいや(笑)。エルダーフラワーっていうのは、花のことだよ」
と自信満々に伝えたら、めっちゃ真顔で
「いやそれは知ってます」
と返ってきました。
えっ、え? 知ってるの? じゃあ逆にエルダーフラワーについて何を知らないの!?
頭の中でパニックを起こしている私をよそに、実は関西人の彼女からの、
「エルダーフラワーって、フラワーって言うてもうてるし」
「名前にフラワーって書いてるし」
と容赦ないツッコミの嵐。これだから関西人は。
〈エルダーフラワーは花である〉ということ以外にその植物についてなにも知らない私は、はは、あはは、と笑い、心で泣いた。
そうだった。私は時に質問の意味さえも理解できないんだった。賢いフリだなんて、もうやめよう。彼女とエルダーフラワーのおかげで、ありのままの大切さを思い出せたんだ。
―fin―
違う違うびっくりした。終わるところでした。愛するディズニー作品についての連載でしたよね。エルダーフラワーについて何かわかることがありましたら誰か教えてくださいのコーナーじゃなかった危ない危ない。
さて、本日紹介するディズニー作品は、そんな私とは正反対の、賢く聡明な女の子が主人公のこちらの一本です。
知らない人はいないであろう世界に語り継がれるあの名作を、ディズニーが手がけて実写映画として新しい風を吹きこみ、話題になりました。
世界的に有名な“くるみ割り人形”ですが、個人的な知識としては〈チャイコフスキーだよね? バレエだよね?〉くらいにしか認識しておらず、ストーリー等がどんなものなのかは全然知りませんでした。なので、〈これを機に“くるみ割り人形”のことを知ろう‼︎〉って感じで、ラフに観ることができました。
主人公は、母親を亡くした悲しみから立ち直れずにいる少女、クララ。クリスマス・イヴだというのに心を閉ざしたままのクララに、父は〈母さんからの最後の贈り物〉として、生前の母から受け取ったクリスマス・プレゼントを渡します。
それは、鍵のかかった小さな卵型の何かと、〈必要なものはすべてこの中にある〉と書かれた母からの手紙。
鍵が無く、卵の中身を知ることができないクララは、卵の謎を解くため、そして母からのメッセージの意味を知るため、鍵を探す旅に出かけるのです。
~チアキ的観どころ~
①映像美
舞台はクリスマス・イヴということで、街中を幻想的に彩る電飾、キラキラに飾られたツリー、光が反射して輝く雪一面の銀世界。うっとりするくらい映像が綺麗です。
〈一体どこまで映し出してしまうんだろう〉と思うほど繊細にイルミネーションやキラキラの街を楽しめるので、部屋を少し暗くして観たら倍楽しめることでしょう(目が疲れるから休憩挟んでね)。
②バレエシーン
劇中、クララがバレエを鑑賞するシーンがあるのですが、このバレエのシーンは巻き戻して3回観ました(笑)。
音楽の展開に合わせてページをめくるみたいに、絵本のようにセットが変わっていく舞台の中心で、華麗に舞うバレリーナの所作や表情に夢中になります。それもそのはず、実は世界的に有名なバレリーナを起用しているそうなのです。指先・つま先まで意識が行き届いていて、ほんの小さな動きだけで喜び・怪しさ・恐れが伝わってくる。そういうところにとても引き込まれました。(エンドロールでもバレエシーンが流れるよ、チャイコフスキーも存分に聴けちゃう)
③キーラ・ナイトレイ
クララが鍵を探して迷い込む秘密の王国には4つの国があり、その中のひとつであるお菓子の国を統治する妖精、シュガープラムをキーラ・ナイトレイ(「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「はじまりのうた」等でおなじみの)が演じてます。
昔から彼女のことが女優さんとして大好きで、完全な私得だったんですが、シュガープラムを演じる彼女の演じきりっぷりが素晴らしい。ひときわ派手なドレスを纏い、浮世離れしたプリンセスのような役柄で、声色の変え方、動作、目線、何から何まで役になりきってて、最初はキーラ・ナイトレイだと気づかないほど。女優さんってすごい。
クララの名付け親でもあるドロッセルマイヤー役としてモーガン・フリーマンが出演しているなど、世界中から愛されるディズニーだからこその豪華な俳優陣も毎度観どころのひとつですよね。
約2時間ほどの作品ですが、内容だけでなく視覚からの情報もとても凝っていて楽しめます。それに、何と言っても、少女クララのたくましさ。劇中、鍵を探して秘密の王国に迷い込んだ彼女が、次第に知っていく驚きの真実。悲しみに心を閉ざし、驚きに自信をなくし、裏切りに遭った時でも、いつだって持ち前の想像力と知識と母との絆が彼女を奮い立たせます。
そしてこの映画を観てから、そういえば子供の頃、〈想像することでどこへでも行けて、何にでもなれたなあ〉なんてずっと考えてます。
将来もし子供が出来たら、観せてあげたい作品がまたひとつ増えました。暗くした部屋でココア片手にこの映画を観ながら、〈知らない世界の扉を叩くのは、いつでも想像の力なんだよ〉といつか我が子に教えてあげたいな。
PROFILE:チアキ
93年1月14日生まれ。2010年から2017年までは本名の佐藤千明でガールズ・ロックバンド、赤い公園のヴォーカリストとして活動。2018年からは名前をチアキと改め、Hilcrhyme・TOCのソロ・アルバム『SHOWCASE』への楽曲参加や、初のワンマン・ライヴの成功、配信シングル『向かい風 / Blueberry Night』のリリースなど、ソロ活動を本格化させている。趣味は映画観賞・旅行・食べることで、大のディズニー好きとしても知られている。夢はディズニー・プリンセスになること。
Release Information
チアキ『向かい風 / Blueberry Night』
1. 向かい風
2. Blueberry Night
主要音楽配信サイト、サブスクリプション・サーヴィスで配信中
Live Information
まるかど企画第5回公演 『おクチが裂けても言えないの』
2019年5月29日(水)~6月2日(日)東京都新宿村LIVE 全8ステージ
※演劇ユニット、まるかど企画の舞台に出演
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