ラフマニノフ、ショパン、リスト…今日まで多くの作曲家の大作を録音してきたカティア・ブニアティシヴィリ。彼女が今回新録に選んだのは、自身初録となるシューベルトのピアノ・ソナタ第21番と即興曲Op.90。多くのピアニスト達がこの楽曲の録音を残しているが、ブニアティシヴィリでしか表現できないその音楽は、一音一音哀愁が漂い、余韻を残しながらじっくりと聴かせてくれている。その調べは、繊細で美しさに溢れている。シューベルトを得意としているだけにその極みは絶大だ。ラストを飾るリスト編曲:セレナード S.560も愛おしい。
カティア・ブニアティシヴィリ 『シューベルト:ピアノ作品集』 一音一音に哀愁が漂う、繊細で美しさに溢れた調べ
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