(左から)五十嵐夢羽、宇野友恵、℃-want you!、横山実郁、佐藤乃々子
 

新潟・古町を拠点とする4人組アイドル・ユニットのRYUTistと、Magic, Drums & Loveや住所不定無職のほかソロでも活動する℃-want you!が、イラストレーター/漫画家の本秀康が主宰するレーベル・雷音レコードより7インチ・シングルを7月24日(水)に同日リリース。RYUTistのデビュー8周年記念ナンバーとなる表題曲“Majimeに恋して”は、℃-want you!が作詞・作曲を手掛けたということで、今回はそんな2組による座談会が実現しました。

座談会では“Majimeに恋して”の制作秘話を軸に、同シングルのカップリングである℃-want you!“愛のナンバー”のカヴァーや本秀康によるジャケットについて、また今回7インチでリリースされる“Cherry Coke”を収録した℃-want you!のファースト・ソロ・アルバム『℃-want you!』(8月リリース予定)のことなど、ときに本秀康らスタッフ陣を交えながらさまざまな話題について語ってもらいました。進行・構成はRYUTistが所属するレーベルPENGUIN DISC主宰で“Majimeに恋して”のミュージック・ビデオを制作した南波が務めます。

RYUTist Majimeに恋して 雷音レコード(2019)

℃-want you! Cherry Coke 雷音レコード(2019)

 

ストレートな恋愛ソングをやってみたい

℃-want you!「(辺りを見回して)これは結構な……ヤバいですね」

佐藤乃々子(RYUTist)「お誕生日席だから」

横山実郁(RYUTist)「4人の目線が集まっちゃう」

――メンバーからの圧が(笑)。℃-want you!さんとRYUTistが出会ったのは、今年の4月に行われた〈横須賀アイドルカーニバル 2019 SPRING〉に出演したときですよね。そこで僕とRYUTist運営の安部博明さんが曲を作ってくださいと直談判して。

宇野友恵(RYUTist)「まず〈RYUTistって誰?〉ってなりますよね」

℃-want you!「存じ上げてはいたんですけど詳しくは知らなくて。私でいいのかなというのはありました」

――℃-want you!さんに書いてもらいたいねという話は結構前からしていたんです。で、7月にデビュー8周年の曲を配信とかで出すのはどうかと話していたタイミングでイヴェントで一緒になって、しかも本秀康さんもチェキ撮影係で来ていて(笑)、アレンジャーの武藤星児さんまでいらしていたので、話が一気に具体的になったんですよね。8周年ソングだと聞かされたときはどう思われました?

℃-want you!「うわ、ヤベーって(笑)。これは頑張らなきゃと。安部さんからは〈フィリー・ソウルがいいです〉と言われて、私はフィリー・ソウルがそんなにわからないから、WikipediaとYouTubeで調べるところから始めて、なるほどこういう特徴があるのかと。いい曲を選んで、それを参考に作っていきました。歌詞は最後に書いて」

佐藤「歌詞は最後なんですね」

RYUTistが7月24日にリリースする7インチ・シングルの表題曲“Majimeに恋して”
 

――歌詞に関しては、周年ソングなのでメンバーのパーソナルな部分も盛り込んでほしいという運営サイドの希望もあって、直接RYUTistと会ってヒアリングしてもらう機会を設けたんですよね。そのときに話していたことがびっくりするくらい歌詞に反映にされていて。

佐藤「いろんなところに盛り込まれていて感動しました」

℃-want you!「話してもらったことを全部入れたかったので」

宇野「私は2番の〈8話目のドラマのような急展開〉のところ、すごいなと思ったんです。〈急(9)〉と〈展(テン=10)〉で8、9、10ってなってるじゃないですか」

℃-want you!「えー! 全然気づかなかった(笑)」

五十嵐夢羽(RYUTist)「違ったんですか!! 〈見つけた!〉と思ってたんですけど」

横山「ふたり(宇野・五十嵐)が盛り上がってて。夢羽さんが〈ねぇ聞いて聞いて!〉って言ってて、友恵さんが〈そんなの知ってたし〉みたいな感じで話してたんですけど」

宇野「8年、9年、10年と続いていくっていうメッセージが込められてるのかと思って」

℃-want you!「そういうことにしましょう(笑)」

横山「ここは誰々のことだっていうふうにメンバーの顔が思い浮かぶ歌詞だなと思いました。あと、RYUTistはストレートな恋愛ソングが少ないからやってみたいというお話もさせていただいていたので、そこもバッチリ100%盛り込んでくださっていて」

℃-want you!「ファンの人へのラヴっていう感じのことも言っていたので、そことみんなのことがバランスよく入るようにしようと思って作りました」

佐藤「本当にみんなのことが書いてあるんですよね。私たちの変な思い出もかわいく歌詞にしていただいて。ローファーでダンス・レッスン受けるって普通はダメじゃないですか(〈ローファーで踊る放課後も 今じゃ笑い話だ〉)。それとか、ドーナツで気持ち悪くなっちゃったこととか(〈ドーナッツも我慢してさ〉)、サプライズ失敗したこととか(〈下手なサプライズでも褒めて〉)、全部かわいく歌詞に入ってる」

℃-want you!「すごくいいエピソードがいっぱいあったので、そのまんま歌詞に使えたんですよね。だから書きやすかったです」

 

ミスタードーナツ事件

――その〈変な思い出〉について詳しく教えてください。

佐藤「ローファーのくだりは初期の頃の私の話です。いまは絶対やらないですけど、ダンス・レッスンのときにレッスン着だけ着て、靴はめんどくさいからそのままいこうって、ローファーで踊ってたんです。いま思うと本当に怒られることをしてたなと思います」

横山「怒られなかったんだ(笑)」

宇野「怒鳴られたりはしなかったけど、注意はされたと思う。〈それで踊るの?〉みたいな。ダンス用のシューズ買ったほうがいいよって言われてた気がする」

――ドーナツのエピソードは?

宇野「ミスタードーナツ事件……」

五十嵐「私の話なんですけど、ライヴ前にいただいたミスタードーナツさんを食べたら、ライヴ中に気持ち悪くなっちゃって途中退場したっていう事件です(笑)。その後しばらくはドーナツが恐怖になりました」

宇野「あの時期はそれがこわくなっちゃって、次の週のライヴも出れなくなって」

五十嵐「イヴェント前はなにも食べれなくなっちゃった(笑)。そんな事件もありました。休んじゃったので笑えないんですけど」

佐藤「いまとなっては笑えるけどね」

――そして〈下手なサプライズ〉というのが?

横山「私です」

℃-want you!「下手なサプライズ担当」

横山「です(笑)。よく失敗しちゃうんですよ」

佐藤「サプライズさ、いっぱいやってるけど一個も成功したことないよね?」

横山「ない! メンバーにもそうだし、ダンスの先生とかマネージャーさんの誕生日とかに毎回やってるんですけど、成功したためしがない(笑)」

宇野「うまい棒をいっぱい繋げて帽子作ったら小さすぎて入らないとか」

五十嵐「びっくり箱なのに何も飛び出さないとか」

横山「仕掛けが丸見えとか。それこそ今回の“Majimeに恋して”のMV撮影のとき、みんなを驚かせようと思って花を下からバッと出したら、夢羽さんの反応が大きすぎて背景紙が揺れちゃって……」

宇野「使えないっていう」

――MVでは背景紙が揺れる直前まで使ってますよ(笑)。ともかく、そういうエピソードが歌詞にたくさん組み込まれているわけですよね。

横山「メンバーの等身大を℃-want you!さんが書いてくださってたので、演じるというよりも、そのままの個性で歌うようにしました」

℃-want you!「恋愛ソングとはいっても、RYUTistみたいな真面目なアイドルが歌う曲なので、あんまり生々しい感じにはしちゃダメだと思って。具体的な表現というか、卑猥な感じにはならないようにしました(笑)。歌詞のなかに相手の男性を出しちゃうと現実的な感じになっちゃうので、あくまでも女の子目線だけで書こうと思って」

横山「歌詞を考えるときってどこで考えるんですか?」

℃-want you!「家です。一人で部屋で書いてます。音があると書けないんだけど、寂しいから無音でテレビをつけて。とりあえずバーっていっぱい書いて、そのなかからメロディーに当てはまるのをピックアップしていって。あと、この間の(吉田)豪さんのインタヴューも読ませてもらって。それもうまく歌詞に使わせてもらいました。ちょうどいい時期に掲載していただいて」

★吉田豪による、RYUTistのメンバー個別インタヴュー記事一覧

――作詞のネタに困らなかった(笑)。

五十嵐「歌詞の一番のポイントってありますか?」

℃-want you!「ポイントかぁ。〈花束をあげるね〉は、8周年はおめでたいことだから、みんなに花束をあげるような気持ちで書きました。〈ふふふ〉っていうのは照れ隠し的な感じですね。コーラスじゃなくて歌詞として入れることで、かわいらしさが出て生々しさが消えるかなと思って」

佐藤「たしかに、〈花束をあげるね〉っていう一文だけで周年のおめでたい感じが出てる。℃-want you!さんは素敵な言葉がいっぱい出てくるじゃないですか。どうやって生きてきたらそういう言葉が出てくるんだろうって。本(ほん)さんをたくさん読んだりされるからなんですか?」

――本にもさん付けするんだ!

※RYUTistのメンバーは固有名詞にさん付けをすることで知られる

℃-want you!「本さんは読むの好きです(笑)。本さん大事かも。Bメロの〈見つめられたら困るのはあなたの方でしょ?〉は、私自身がアイドルに見つめられるとめっちゃ困るし、ファンの人もそうだろうなと思って。だからこれは私の気持ちですね。嬉しいけどどうしたらいいのっていう気持ちです」

五十嵐「そこ、かわいいです!」

 

真面目でストイックなRYUTistに恋をする

佐藤「“Majimeに恋して”の歌詞はどのくらいの時間で出来たんですか?」

安部博明(RYUTist運営)「歌詞は2~3日でしたよね」

本秀康「3日かかった? 歌詞よりもタイトルを決めるのに時間かかってたよね」

℃-want you!「私、タイトルをつけるのが苦手で。“Majimeに恋して”も悩みましたよね」

「最初に聞いたときはびっくりして、本当にこれでいいのかってアレンジャーの武藤さんと僕と℃-want you!でファミレスで一時間くらいその話をしました(笑)。いろいろなアイデアが出てきたんだけど、最終的には〈Majimeに恋して〉だねということになって」

横山「他にはどんな案があったのか気になります」

℃-want you!「作詞のためにヒアリングしたときのことは全部ここに書いてて(メモを出す)。タイトル案もめっちゃ書いてる。〈ロマンティック急行〉とか。歌詞から抜き出したりもしました。〈Hurry up! Darling〉とか」

℃-want you!の作詞メモ
 

佐藤「かわいい」

横山「でもやっぱり〈Majimeに恋して〉がRYUTistっぽい」

℃-want you!「真面目がみんなのいいところだし、お客さんもそういう真面目でストイックなところに恋して、RYUTistのことを応援してると思うから。Majimeにはマジ(本気)という意味も入れつつ、という感じです」

横山「いい~! (この曲が)宝物になりました」

佐藤「歌詞もいいし、メロディーもめちゃくちゃかわいいです」

横山「℃-want you!さんが仮歌を入れているヴァージョンを毎日聴いてます。この曲が好きすぎて、学校に行くときも帰るときもずっと聴いていて」

佐藤「家でかけてたら、家族が〈これ誰の曲? いい曲だねぇ〉って」

五十嵐「ルンルンな気分になれるよね。キャピキャピにはっちゃけてる女の子が恋にワクワクしてて、いぇいって感じ。なんでも楽しいよー!みたいな」

℃-want you!「嬉しい。ダンスが楽しみ」

宇野「今回、振り付けを自分たちで考えることになってるんです。入れてほしいポーズとかありますか?」

℃-want you!「ダンスは思いつかないなぁ」

横山「℃-want you!さんの〈C〉を入れようよ!(手でCを作る)」

――すごいベタさ加減! 今回のMVを作る前、メンバーにどういうのがやってみたいか訊いたら、〈曲の最後で(8周年記念ライヴを行なう東京・渋谷)CLUB QUATTROさんに向かって走って行くのはどうですか?〉と言ってきて。アイデアが直球すぎて衝撃を受けました。

横山「でも、〈C〉は入れたいです!」

五十嵐「どこかに入れよう」

 

“愛のナンバー”のRYUTist的ストーリー

℃-want you!「歌は難しくなかった? キーが高くないか心配で」

佐藤「ちょうどよかったです」

――言葉のリズムとメロがハマっていて、歌えるようになると気持ちいいですよね。

℃-want you!「よかった。そこは考えました」

佐藤「早くライヴで歌いたい」

横山「というか、℃-want you!さんと歌いたい。この曲と“愛のナンバー”を5人で歌いたいです。落ちサビが℃-want you!さんで」

℃-want you!「無理無理無理。後ろでギターを弾きます」

五十嵐「いいですね! でも一緒に歌って踊りたい。〈C〉のところだけでも(笑)」

℃-want you!「無理だよー!」

――歌い方はかなり℃-want you!さんの仮歌に忠実ですよね。

宇野「RYUTistは仮歌に左右されるんですよね」

横山「仮歌を聴きながら練習していると真似ちゃうんです。みんながみんな℃-want you!さんに寄っていく」

℃-want you!「歌、すごいよかったです。みんないい声してるから。“愛のナンバー”も超よかった」

――雷音レコードからのリリースが決まったときに、B面はどうするかという話になったんですよね。それで℃-want you!さんが歌うヴァージョンを入れるのはどうかとか言っていたら、(PENGUIN DISCを運営するタワーレコードの)嶺脇育夫社長から“愛のナンバー”をカヴァーしてほしいという話があって。そうしたら、まったくの偶然なんですけど、本さんからも“愛のナンバー”の提案があったんですよね。それで収録する流れになって。みんなに愛されている曲だなと思いました。

℃-want you!「あれはおじさんがお酒を飲んでレコードを聴きながら泣いてる曲だから、若い子に歌わせて大丈夫かなって心配してたんだけど、めちゃくちゃ爽やかになっていて」

宇野「おじさんなんですね! 27歳くらいかなって話してました」

――メンバーで歌詞についての話し合いをしたんですね。

横山「しました。めっちゃ話したよね?」

宇野「こういうストーリーがあって、という」

℃-want you!「気になる」

宇野「私の場合は、ある幼馴染の男女がずっと友達関係で過ごしていて、大学生くらいになって離れるんですよ。女の子は上京して一人暮らしを始めるんですけど、男の子は地元で実家暮らしのままで。男の子はその女の子のことがずっと好きなんだけど、女の子は上京してから彼氏ができて、25~6歳くらいで結婚することになって。その報せを聞いた男の子がヤケ酒をする曲なんだと思ってました」

℃-want you!「バッチリ(笑)。本当にそんな感じ。ヤケ酒の歌です」

――そうやって歌詞について話し合うことはいつもやっている?

佐藤「はい。それぞれが全然違うと歌い方に違いが出てきちゃうかもしれないから」

横山「主人公は何歳くらいというのと、性別と、なんでこうなったのかみたいないきさつを話します。みんなが共通の認識で歌えるように」

℃-want you!「すごくしっかりしてますね。RYUTistのヴァージョンはコーラスのアレンジがめちゃくちゃ最高でした」

宇野「カンケさんにコーラス・アレンジしてもらったんですけど、ライヴでやるときは全部生歌でお願いしますと言われていて。ライヴ、大丈夫かな」

※RYUTistのほか吉澤嘉代子や岡崎体育、私立恵比寿中学などの楽曲も手掛ける音楽家/プロデューサー

――ハモとコーラスもライヴで歌える構造になっている。

宇野「そうなんです。いままでは(ハモりやコーラスが)オケにちょこっと入ってたりしたんですけど、今回はそれも全部なしで」

℃-want you!「大変だ。ずっと歌ってなきゃ」

横山「“愛のナンバー”みたいなしっとりしたザ・バラード!っていう曲もあんまりなかったので、今回のシングルはいままでにない曲が詰まってるなと思います」

五十嵐「この曲を家でずっと歌ってたら、パパが℃-want you!さんの大ファンになったんです。しょっちゅう〈“愛のナンバー”流してよ。いつ新潟来るの? 一緒にやらないの?〉って言われるようになりました」

佐藤「新潟の北書店さんの店長さんも“愛のナンバー”をずっと聴いてるみたいです。〈レコード大賞出ちゃうんじゃない?〉って(笑)」

※合同イヴェント〈柳書店〉を開催するなどRYUTistと懇意な新潟市中央区の書店

℃-want you!「新潟行きたいなぁ」

 

自分の声は自分にしか出せないものだから武器になる

――そこは実現させましょう。では、RYUTistから見た℃-want you!さんの魅力はどんなところでしょうか。

宇野「歌声がすごい好きです。声がかわいいし、特徴的な歌い方をされていて」

佐藤「唯一無二の声」

℃-want you!「めちゃ褒めてもらってる(笑)」

横山「自分の声がイヤだなと思ったことはありますか? 私は自分のガーッていう鋭い声があんまり好きじゃなくて。℃-want you!さんは唯一無二の声だから、歌っててもっとこうだったらいいのになって思ったりすることはあるのかなと思って」

℃-want you!「それはあんまり考えたことがないかな。でも、声って自分にしか持てないものだし、他の人がいくら練習したって自分の声は出せないから、声を褒めてもらうのは音楽とか歌詞を褒めてもらうよりも嬉しいかもしれない。みんなもめっちゃいい声を持ってるし、それが武器だと思うから、気にしなくて大丈夫だと思います」

横山「ありがとうございます」

℃-want you!が7月24日にリリースする7インチ・シングル“Cherry Coke”トレイラー
 

――住所不定無職に加入する前は歌ったりしていたんですか?

℃-want you!「全然してないです。楽器はずっといろんなのをやってたんですけど、歌をやりたいとは思ってなくて。住所不定無職のときもそんな歌ってたりもしてなかったですし。ただ楽器が弾きたいって感じでした」

――それで自分で曲を作って歌ってみたら、いけるじゃんということになって。

℃-want you!「自分で作ると結局自分で歌うことになるので、知らないうちに歌ってました」

――やっぱり持って生まれたものがあったということですよね。

佐藤「そうですねぇ……」

℃-want you!「いやいやいや。アイドルは踊りながら歌えるのがすごいと思う。なんで息が切れないの?」

宇野「いや、かなり息切れしてます(笑)」

横山「他のメンバーが歌ってるときに必死に息を整えてます」

℃-want you!「かわいい顔もキープしながら」

佐藤「キープできてないんですよ!」

五十嵐「すごいことになってるよね(笑)」

℃-want you!「できてるよ。私だったら疲れちゃって笑えないもん。踊りながら歌うとか絶対無理」

佐藤「踊りがあったほうが歌いやすいこともあったりするんですよ。踊らないほうが声を出しにくかったりします」

℃-want you!「ああ。リズムに乗りやすいから」

横山「歌と一緒に手を伸ばしたりするところとか」

℃-want you!「そうなんだ。いいなぁ、踊れるの」

横山「“Majimeに恋して”でぜひ一緒にやりましょう(笑)。今度リリースされる℃-want you!さんのソロ・アルバム(『℃-want you!』)を聴かせていただいたんですけど、どの曲も雰囲気が全然違うのに声と曲が合ってるんですよね。全部スッと体に入ってくるのがすごい。ノリノリで聴けました。1曲目の“Don't Touch Her!”がYouTubeで途中まで聴けるじゃないですか。それをフルで聴けたのも興奮しました。アルバムを作ってるときに悩んだりすることはあったんですか?」

『℃-want you!』に収録予定の“Don't Touch Her!”
 

℃-want you!「全然あります。できないよーって」

宇野「そういうときはどうやって乗り越えるんですか?」

℃-want you!「結局はやるしかないので、普段はすごく口が悪いんですけど、〈くっそー〉って言いながら作ってます」

佐藤「無音のテレビをつけながら(笑)」

℃-want you!「孤独にやってます。でも“Majimeに恋して”は楽しくできました。いろんなエピソードをみんなからもらったので書きやすかったし、ラヴソングが得意だからやりやすかった」

――以前、本さんが〈℃-want you!の弱点はB面曲が作れないことなんですよ〉と言っていて。要はキャッチーなA面曲ばかりできてしまうと。『℃-want you!』はまさにそんなシングル集のようなアルバムだなと感じました。RYUTistはA面曲ばかり出来てしまう人にバッチリなA面曲を書いてもらったということですよね。

横山「最高です!」

℃-want you!「ありがとうございます(笑)。誰かのために曲を書くというのはいままであんまりやってこなかったので、今回の機会をもらえてステップアップにもなったと思います。自分の自信にも繋がりました」

宇野「℃-want you!さんの“Cherry Coke”と私たちの7インチは同時発売なので両方ゲットしてほしいです」

℃-want you!「“Majimeに恋して”のジャケットもかわいいね。みんなにそっくりで」

この日本秀康が持参してくれた、ジャケットの原画
 

――RYUTistはたくさんのイラストレーターや漫画家の方に似顔絵を描いてもらってきたんですけど、今回のはいままでにないアプローチなのに、すごく似ていて。

佐藤「見たときびっくりしました」

「僕はナカGくんと仲良いんですけど、ナカGくんが描くRYUTistが正解なんですよ。でもそれは使えないので。それを使わないで新たな見せ方を作らないといけないのが大変でした。たぶん、ナカGくんが発明した部品はひとつも使っていないんですよ。なかなかできることじゃないと思います(笑)」

※アイドル・イヴェント〈ナカGフェス〉を主催するなど大のアイドル・ファンとしても知られる漫画家。RYUTistのグッズのイラストも多数手がけている

横山「安部さんから別のデザインもあったと聞いて。どんなのかなと思ったんです」

「じつは、さっき出がけに撮影してきました。このパターンというのもあったんです」

一同「え~! かわいい!」

“Majimeに恋して”ジャケットの別パターン
 

佐藤「ジャケットの絵に辿り着くまでに色々描いてくださったんですね」

宇野「幸せすぎる」

横山「本先生がそんなにRYUTistのことを考えてくれたのが嬉しいです。ありがとうございます」

「以前からナカGくんづてにアルバムは聴かせてもらっていて。『柳都芸妓』(2017年)がめちゃめちゃ好きなんですけど、それを聴きながらみなさんの写真をInstagramとかから拾って、ずっと凝視しながら描いてると……やっぱりファンになっちゃいますよね(笑)」

宇野「えー! 嬉しい!」

「ファンの人に似顔絵描いてもらう機会を作るとみんなどんどんハマっていくと思いますよ(笑)。もちろんそれだけじゃないマジックがあるんだと思いますけど、描いたおかげでみなさんの大ファンになりました。だからうちからリリースいたします」

一同「やったー!」

 

“Majimeに恋して”のMVを初公開

――RYUTistのみんなにはまだ観てもらってないけど、MVもジャケットに合わせてカラフルにできたかなと。

※取材時はMV公開前

RYUTist「ビデオ観たい!」

横山「℃-want you!さん、観ました?」

℃-want you!「観ました。めっちゃかわいかった」

――いま観てみます?

RYUTist「え~~~!」

℃-want you!「彼氏目線みたいなシーンがあったね」

横山「デートしてるみたいな撮影をしました」

――メンバーの希望でデート風景のようなシーンを撮ったんです。結構撮ったんですけど、結局一瞬だけしか使っていなくて。

℃-want you!「でも、めっちゃドキッとした。この子と付き合ったらこういう感じなんだっていうのが観れて」

横山「待って待って、緊張しちゃう!」

佐藤「どこが使われたんだろう。気になる」

――準備ができたらいってみましょう。

一同「お願いします!」

一同「(拍手しながら)すごーい!」

五十嵐「アイドルさんみたいだった」

佐藤「こういう顔が4つあるの憧れてた」

宇野「デート・シーンは本当に一瞬だった(笑)」

佐藤「ナチュラルに街を歩いたりする感じが多かったので、いままでにない感じになりましたね。背景の色を変えてああいう撮影したのは初めて」

横山「あんなに顔がガーンって映るのはね」

佐藤「風景でごまかせないからこわかったよね」

℃-want you!「いや、めちゃくちゃかわいかったです」

――というところで、そろそろ時間になりました。今後の両者の展望としては、7インチの同時リリースを経て共演、というところでしょうか。

五十嵐「一緒に歌いたい。踊るのもいいですし」

宇野「私、マジドラさん(Magic, Drums & Love)が大好きで」

℃-want you!「え! ありがとう」

宇野「“大東京今夜的愛”をめっちゃ聴いてるんですよ。だからマジドラさんにもお会いできたらいいなと思ってます」

Magic, Drums & Love
Magic, Drums & Loveの2019年作『HURRICANE UPSETTER』収録曲“大東京今夜的愛”
 

横山「これはずっと先の話になるかもしれないんですけど……私たち、番組の企画でバンドさんを始めるんですよ」

℃-want you!「あ、聞いたよ!」

横山「いつかバンドさんとして℃-want you!さんと共演できたらいいなと思ってます。それを目標に頑張ります」

宇野「何年先になるんだろう?」

佐藤「すごい頑張らなきゃね」

℃-want you!「すぐできるよ。バンドはアイドルより簡単だから大丈夫!」

 


LIVE INFORMATION
〈RYUTist HOME LIVE ~8th Anniversary Majimeに恋して~〉
2019年7月21日(日)新潟 LIVE HOUSE 柳都SHOW!CASE!!
開場/開演:13:30/14:00
前売り/当日:3,000円/3,500円
ローソンチケット Lコード:71635

〈RYUTist HOME LIVE ~8th Anniversary~ @SHIBUYA CLUB QUATTRO〉
8月11日(日)東京・渋谷 CLUB QUATTRO
開場/開演:15:00/16:00
前売り:3.800円(ドリンク代別)
※整理番号順の入場です
※6歳以上チケット必要、6歳未満入場不可

■チケットぴあ
0570-02-9999
http://w.pia.jp/t/ryutist-8th/
Pコード:147-905

■ローソンチケット
0570-084-003
https://l-tike.com/ryutist
Lコード:74258

■e+(イープラス)
https://eplus.jp/ryutist-19/

お問い合わせ(オデッセー):03-5444-6966(平日11:00〜18:00)