2024年12月1日、ラストライブをついに終えたRYUTistの現メンバー。前向きな卒業をし、最後の作品『RYUTist 2023-2024』のリリースも発表した3人は、次のステップに進んでいることでしょう。そのRYUTistの宇野友恵さんによる本についての連載〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉は、2019年7月に初回を掲載してから5年以上続いてきました。友恵さんの卒業に伴って、残念ながらこの第39回が最終回になります。長きにわたって読んでくださった読者のみなさん、そしてこれまで執筆してくださった友恵さん、本当にありがとうございました! 最後まで楽しんでいたただけたら幸いです。 *Mikiki編集部
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私の住む新潟市では、12月に入って本格的な冬の到来とばかりに、天気は大暴れ。
毎年この時期になると“北風小僧の寒太郎”が頭の中で流れる。小さい頃から母がよく歌ってくれていました。
悪天候に加え、日も短いから、全体的に暗い。でもなぜかちょっと好き。
昔サンタさんに何をもらうかあれこれ熟考していた時間は、年末大掃除の時間に変わり、今年はクリスマスよりも、家で過ごす冬至に力を注いでいました。
気づけば2024年もおしまい。
今年も一年、お疲れさまでした。
〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉第39回は僕のマリさんの「記憶を食む」をご紹介します。
僕のマリさんのことは2021年に刊行されたデビュー作「常識のない喫茶店」で興味を持って以降、毎回新作を楽しみにしていました。
忘れて、思い出して、また忘れて、そんなふうにあと何十年も自分の内面と向き合っていくことになるのだ。
そう書いてあるとおり、この本は、食べることが好きな僕のマリさんが自身の暮らしの中で食べ物に紐づいた記憶をたどって紡がれたエッセイです。
著者の節目のタイミングのエピソードもあり、それがなんだか自分が考えている過去と今とこれからのことに響いてきました。
RYUTistは12月1日に渋谷クラブクアトロで私含めメンバー3人のラストライブを行いました。
その後、新潟でイベントやメディア出演、最後の作品『RYUTist 2023-2024』に収録される新曲のレコーディング等、RYUTistとしての活動はすべて終え、連載もこれが最終回です。
あぁ、自分で前置きしておきながらちょっと……。
過去や終わりという言葉に敏感ですが、今日までのことを書いてみようと思います。
9月に卒業を発表してからの怒涛の3ヶ月は、ひたすらRYUTistに夢中でした。
本当に終わりが来てしまうのかなと感じるくらいに毎回のライブが楽しくて、でも決められたスケジュールに沿って当たり前に時間は進んでいきました。