昨年の夏フェスにおけるトレンドは〈アイドルのロック・フェス出演〉だったように思いますが、さまざまなフィールドのクロスオーヴァーするような対バン形式のライヴやイヴェントが定着した結果、アイドルがどこに登場しても昔ほどの異物感や違和感は感じられなくなってきました。一方で、昨年あたりからの傾向として、アイドル・シーンの内外両面からガールズ・バンドが充実してきている様子はあって、その両者がTIFで相まみえることも多くなってきました。
まず、昨年に続いての出演となったのは、バンド演奏もダンスも披露する姫carat。彼女たちはニュー・シングル“切なくてほのかに甘い運命”もリリースしたばかりで、メンバー交替を経ての巻き返しが期待されます。同じく2年連続出場となるのは、昨年のTIFが初めてのアイドル現場だったという佐賀県唐津のVictory。たんこぶちんのメンバーとは同級生でもあり、70~80年代テイストのロックを追求する現役女子高生バンドです。初出演組では年頭のアルバムも記憶に新しいCyntiaがいますし、すでにファンベースを築いているCaramelやスターダスト発のLe Lien(ルリアン)のようなバンドもTIFで腕試しに出陣。今後はこのようにアイドル性の高さも否定しない(ポストSilent Siren的な)バンドの在り方が普通になっていくのでは?という感じもしますね。その意味ではバンド演奏でも成果を上げはじめたPASSPO☆の挑戦もここから奏功しそう。なお、いわゆるバンド形態ではないですが、ピアノ/ヴォーカルから成るアップフロントの新進デュオ、Bitter & SweetのTIF初登場にも注目です。
▼文中に登場したアーティストの作品の一部
左から、Victoryの2014年作『KGSD』(redrec)、Cyntiaの2014年作『Limit Break』(ビクター)、Bitter & Sweetの2014年のシングル『Bitter & Sweet/インストール』(アップフロントワークス)
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