新進レーベル/出版社のカンパニー社からユニークな書籍が届けられた。ジョン・コルベットによる『フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き』の訳書である。推薦人は大友良英、佐々木敦、毛利嘉孝。小難しい本? いえいえ、そんな心配はマジでご無用。羽毛のような軽さ(軽すぎ?)の筆致で即興音楽の妙味と、その味わいかたを教えてくれる。即興音楽の入門書なのに読んでいると「あはは」と笑ってしまう。なんなんだろう、これ。東京藝術大学出身でフリージャズ文化史と音盤蒐集学(!)が研究領域だという工藤遥の訳文もキレッキレ。ディスクガイドなどの資料性も高く、楽しいけれど骨太な一冊。