ささやかな日常生活に起こる悲喜こもごもをウィットに富んだ筆致で丹念に描き出す通算11枚目は、表現者としての成熟ぶりを如実に示す充実作。アコーディオンやオルガンが小粋に躍る“雨のピチカート”やピアノが愛らしい音色を奏でる“ラストシーン”などいろんな情景を想起させるハートフルかつ上品な演奏も聴きもので、終始微笑みが止まらず。ブルーハーツ“月の爆撃機”のカヴァー、“マドロス横丁”の再録版も素敵。