アンソニー・ハミルトンらと共作した“Lie To Me”を先行曲とした6年ぶりの新作。今回はデレク“DOA”アレンとの共同制作で、内省的なムードを湛えつつ、4つ打ちのディスコ曲にもトライしているが、シンプルこそ最強と謳う彼の美学は変わっていない。ブライアン・カルバートソンをピアノで招いてスムース・ジャズに寄り、エリカ・キャンベルの客演版も収めた表題曲ではゴスペルに接近するなど、求められる自分を素直に打ち出している。現モータウンの看板らしく、ヒッツヴィルUSA(現博物館)のスタジオAにてポール・ライザーの指揮でストリングス録りも実施。うちトニ・ブラクストンとのデュエット版で話題の“Live Out Your Love”はステッパーズの新定番となりつつある。エレガンスを極めた上質盤だ。