過去・現在・未来と自身の人生を歌うことで昇華した切実な思い。今回も多彩な作家陣とのコラボが実現したポップ・アルバムの制作で得た心境の変化とは──
優しい作品を
「(コロナ禍による)自粛期間のなかでもいろんなことを考えてたり、落ち込むことや、逆に良いこともあったり、単純に言葉で言い表せないような感情がありました。そんななかで自分の〈今〉や〈今まで〉〈これから〉を歌ってるような曲をひとつひとつ作っていくうちに、〈人生って、自分にとって何だろう?〉と思うようになりました」。
そんな思索の期間を経て、入野自由がニュー・アルバムに名付けたタイトルは『Life is...』。昨夏のアーティスト活動10周年記念ツアーで初披露されたミュージカル風味のファニー・チューン“だって愛は半端ないじゃない”(作詞/作曲/編曲はsooogood!)を含む全13曲は、1年以上をかけてじっくりと作り上げられたものだという。
「1年半ぐらい前に、自分の身の回りで嫌なこと、悲しいことがいろいろ起こって、世の中を見てもそういうニュースばっかり目に入るようになりました。そういうこともあって、今度、自分が作品を作るなら、触れた人がホッとできるような、優しい作品を作りたいなと思ったんです。(俳優/声優としての自身は)まず作品があって、その作品のメッセージだったり、その作品での立ち位置を演じることが多いんですが、音楽は自分自身として表現できる場ということがあるので、パーソナルなテーマをここに持ってきたっていうのもあります」。