映画批評家・蓮實重彦、ジャズ評論家・瀬川昌久の二人による対談集。「瀬川昌久自選著作集」の巻末の二人の対談が発売当時話題になっていたこともあるので、この本の企画自体が奇跡のようだ。二人の対話は合計で5回(うち1回はFAXによる)繰り広げられているが、膨大な映画と音楽の知識、どの文献にもないであろう貴重な話しが惜しげもなく繰り広げられ圧倒される。また、島津保次郎の〈闘魚〉に関する二人のエッセイが収録されているが、これが、あまりに凄く唸ってしまう。著者紹介欄でお二人の学生時代の写真(未発表?)がさりげなく出されていて、本書の編集者の熱量も伝わってくる。