シカゴのドリル・シーンから頭角を表し、昨年はドレイクのヒット“Laugh Now Cry Later”への参加も大きな話題となったリル・ダークが、自身の主導するオンリー・ザ・ファミリーでの最新クルー・アルバムを発表。キング・ヴォンがブレイクした矢先の昨年11月に銃撃を受けて急逝するという不幸な出来事があり、要所で彼に捧げるポイントも見受けられるものの、重苦しいムードはなく、ソロ新作も出したばかりのティー・グリズリーや歌心あるフロウが印象的なブーカ600らの注目アクトから無名の輩まで十数名に及ぶメンバーが目まぐるしくマイクを握って、一大勢力に発展したクルーとしての勢いを見せつける。なかでも挑発的なリリックでキレキレなラップを披露するヴォンの存在感がやはり別格だ。