ミックステープですでに十分な成果を獲得し、アシャケやアイス・スパイスら海外勢とのコラボも増加していたUKドリルのキングによるファースト・アルバムは、予想以上に豪華でありながらどんなスタイルのゲストとも好相性なラップの柔軟さ&鋭利さに惹かれる傑作となった。先行カットでのリル・ベイビーや21サヴェージはもちろん、ヤング・ミコ、リル・ダーク、デイヴにスケプタといった面々が多種多様な路上感に満ち溢れた不穏なビート上でマイクを交わし合う。昔のUSヒップホップ作品のように貪欲なガツガツ感が眩しいのも時代の勢いを従えた人ならでは。ニーヨ使いなんかもやっぱり微笑ましい。