田中亮太「Mikiki編集部の田中と天野が海外シーンで発表された楽曲から必聴の5曲を紹介する週刊連載〈Pop Style Now〉。なにはさておき、BTSの新曲“Dynamite”が超話題ですね! キラキラしたディスコ・ポップですが、天野くんの感想はどうですか?」

天野龍太郎「最近ちょっと興味を失っていたんですけど、まあまあいい曲だなと思いました(笑)。それよりも、現地時間の8月20日にビリー・アイリッシュが米民主党の全国大会で“my future”を演奏したことについて話したかったんですよ。オピニオン・リーダーとしての責任をちゃんと引き受けつつ、イントロでキーボードを弾きながら歌う真摯さや新鮮さが感動的でした。バンドのタイトな演奏もかっこいいですし、パフォーマーとしていいなと思っただけに、来日公演が中止になったのは残念です」

田中「同時に、ビリーが『ドナルド・トランプには投票しないで、ジョー・バイデンに投票を。黙っていてはダメ。未来に確信を持つために、私たちが行動すべき。登録して。投票して』とメッセージを送る映像も公開されています。〈音楽に政治を……〉という議論をいまだ続けているどこかの国とは大ちがいですね」

天野「とはいえ、検察庁法改正案が問題視されたとき、かなりムードが変わったなって思いました。僕たちの生や文化が政治と不可分だということは、だんだん実感できるようになってきた気がします。2020年、いろいろな面でターニング・ポイントになりそうですね。それでは、今週のプレイリストと〈Song Of The Week〉から!」