動画サイトやストリーミングで話題の4人組が新曲と過去曲を織り交ぜた16曲入りのフル・アルバムでメジャー・デビュー。YouTube再生回数1000万回越えの代表曲“不革命前夜”を筆頭に、情報量の多いボカロ曲をKing Gnuが演奏したかのような熱の高い現代版ミクスチャーが並び、中心人物・くぅのソングライティングも、バンドの技術もかなりレヴェルが高い。ネットとライヴハウスを繋ぐ新たなアイコンへと名乗りを上げた。
昨年の“不革命前夜”がYouTubeで大バズりした〈エキゾチックバンド〉のメジャー初作。ヴォーカル/ギターのくぅがボカロPとして活動していることもあってか、ボカロ曲に多く見られるような休符が少なく乱高下するキャッチーなメロディーや、ヴィレッジヴァンガード店内のようにゴチャゴチャした情報量、突き刺すようなギターのメカニカル感、さらに学校をテーマにしているだけにいい意味での青臭さなどがごった煮に。そこに神聖かまってちゃんからレッチリまで、てんでバラバラなメンバー各自の影響元の要素も振りかけられて、でもそれらの要素がほとんど感じられなくなるまでミキサーで混ぜ合わせたような楽曲は、いずれも強烈な個性を放っている。
しかし、それでいて散漫になっていないのがNEEの良いところ。くぅが楽曲提供したHey! Say! JUMPの“群青ランナウェイ”にも通じるように、あくまで歌が耳に残ることを主軸にしており、この一見めちゃくちゃなのに、歌える、踊れる、そして突き刺さる音楽性が彼らの良さだろう。メンバー各自の技術も高く、それが合わさった時の爆発力もあり、オクターヴでユニゾンするサビはさながらライブハウスでの大合唱のよう(早く大合唱したい!)。彼らこそ今年最もブレイクするバンドになるのでは?