毎週火曜(歌謡)日に更新中の、Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯による、最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。今週は第58回です。紹介した楽曲はSpotifyのプレイリストにもまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部
【酒井優考】
NEE “万事思通”
キタ! かっけえ! 頭おかしい! 世界はこういう変な音楽を待ってた!
婦人倶楽部 “OKESA (Debayashi) ”
佐渡に住む4人のご婦人によるユニット、婦人倶楽部がストリーミング解禁。2014年リリースのシングルにはこの未発表曲が追加されてるんだそう。
【天野龍太郎】
藤井 風 “優しさ”
5月20日(水)にリリースされるファースト・アルバム『HELP EVER HURT NEVER』から。〈これがいまのJ-Popの王道!〉という確信と力強さに満ち溢れた最高の一曲。すんごい才能の持ち主です。
Vaundy “Bye by me”
Vaundyのニュー・シングルは、珍しくフォーク・ロック調のオーガニックな優しい一曲(テレビ東京ドラマ25「捨ててよ、安達さん。」のオープニング・テーマとのこと)。彼も〈いま、J-Popがおもしろい!〉と思わせてくれる、すんごいアーティストです。
岡田拓郎 “Lost”
“Morning Sun”に続く岡田くんの新曲。ドラムの静かなフィルイン、刻むように淡々と音を発するエレピ。どんどんミニマルに、削ぎ落されていっているところに凄みを感じます。
象眠舎 “Lycoris feat. 中村佳穂”
小西遼さんのソロ・プロジェクト〈象眠舎〉がついにヴェールを脱ぎました。音と歌で物語と景色を描いていく、果てしない音楽的イマジネーション。小西さんはストーリーテラーなんだと思います。基本的にはラージ・アンサンブル的な編曲ではありますが、随所に不思議な音や遊び心が。“Sunset blvd. feat. Sarah Furukawa”もぜひ。
Keishi Tanaka “The Smoke Is You”
Mikikiも携わっているタワーレコードの企画〈未来ノ和モノ〉をきっかけに生まれた一曲。Keishi TanakaさんとKan Sanoさんが〈2人でこういう曲を作れたらいいよね〉と言っていたあの日の会話が、こんなすばらしい形で実を結ぶなんて!
Xinlisupreme “Shuwatch!”
Xinlisupreme、ひさびさの新曲は意外やインダストリアルやEBMを思わせるキラキラとしたシンセ・ポップ。〈もっと生きたいと思いました〉というリリックが帯びる意味合いの深さ……。
MIYACHI “MAINICHI”
毎日毎日毎日毎日毎日……。MIYACHIは不敵なジョーカーだ。ビデオがおもしろいので、ぜひ最後まで観てください。
阿修羅MIC “街角のハスラー”
APHRODITE GANGから。曲名どおりのハードなハスリング・ラップ。
玉名ラーメン “meimei”
玉名ラーメンさんの新曲は、なんとハウス。ミニマルで深くてアシッディー。
NNMIE “テレパシー(Demo)”
ここ最近、新曲を立て続けに発表しているんミィさん。特にこの“テレパシー”、かわいらしくていい曲です。
杏 “教訓1”
映像も含めて、聴いていると心がきしきしときしむ、あまりにも感動的な歌。歌詞はハンバート ハンバートのカヴァー・ヴァージョン。その曲を収録した『FOLK 2』についてのインタビューが再注目されていました。この機会にぜひ読んでみてください。
【小峯崇嗣】
New Biboujin “Judges”
東京と京都の遠隔地にて活動するDIYな3人組、New Biboujinが3か月連続リリースの第2弾シングルとなる”Judges”を先週配信しました。
毎回異なる音楽アプローチをして聴き手をいつも驚かせる彼ら。今回のシングルは曲構成に注目です。ダークな雰囲気で浮遊するようなメロウなサウンドの序盤から、後半にはカオティックなギター・ソロへと変貌する楽曲に仕上がっています。5月にリリース予定の第3弾シングルも楽しみです。
kycoh ”Life-size”
東京を拠点に2019年9月に結成した4人組バンド、kycohの新曲”Life-size”。タワーレコードでも店舗限定で渋谷店などでEP『WOKE』が未流通コーナーで販売されるなど注目が集まっています。
オートチューンを使用したファルセットな歌声や、シューゲイザー~ポスト・ロックなどを織り交ぜ彼ら独特のオルタナティヴなサウンドに昇華した一曲に仕上がっています。フレンドリー・ファイアーズ(Friendly Fires)~バスティル(Bastille)を想起させるダンサンブルなサウンドも注目です。
ODDLY “Concrete Jungle”
京都を中心に活動するベースレス3ピース・バンド、ODDLYがEP『Loaded』をストリーミングでの配信リリースを開始。
爽やかで勢いのあるギター・サウンドが印象的な90年代のグランジから2000年代のインディー・ロックを織り交ぜた一曲。まさに夏のドライヴに出かけたときに聴きたい曲です。
【田中亮太】
Osteoleuco “Nocturne”
ヒップホップ・クルー、MGFのKSKと、プロデューサー/ピアニストのShimon Hoshinoが新たなユニット、Osteoleuco(オステオロイコ)を結成。ファースト・ミニ・アルバム『20_420_ost』を昨日に配信リリースしました。この“Nocturne”は同作の冒頭曲。リリカルなピアノのループと生活のなかで浮かび上がる感傷を切り取ったリリックが心地よい。バレアリック耳にも刺さります。
Hi,how are you? “恋の四月バカ”
ハイハワの新曲は打ち込みを派手に導入。珍妙なナレーションなどパフォーマティヴな要素も盛り込み、かつてないほどキャプテン・センシブルに接近した印象です。キャリアを重ねるごとに、どんどん軽薄になっていくのが、この2人のすごいところ。
「井手健介と母船『Contact From Exne Kedy And The Poltergeists(エクスネ・ケディと騒がしい幽霊からのコンタクト)』トレイラー」
4月29日(水)にリリースされる5年ぶりの新作からのトレイラー映像。テーム・インパラやウッデン・シップスもかくやというほどの強烈なドラムの音に痺れました。サイケデリック! アルバム、超期待です。
MOONSCAPE “TOKYO”
感情が行き場をなくし、淀んだ空気が沈殿し、いまにもどこかが破裂しそうな東京のいまを映したハードコア。
田中ヤコブ “BIKE”
〈青い空の上 赤い靴履いて 白い雲を目指して駆け出したい〉〈立ち止まるときも
きっといくつか理由はあるのさ すぐどうにかなるもんでもない〉。去年の録音とは思えないフレーズの数々。魔法がかかっているかのようなメロディーと演奏も毎度流石の一言ですが、箱庭的な良さを残しながら、どんどんスケールが大きくなっているところがすごい。
ステレオガール “I Don’t Play Baseball”
この5人みたいに演奏しているだけでかっこいいって、バンドなら当たり前のようだけど実は少ないんです。アルバム『Pink Fog』は発売延期になり、6月3日(水)のリリース。今年もっとも興奮されるべきアルバムのひとつだと思う。